AI発音アプリと、オンライン英会話。両方やるべきなのか、片方でいいのか。
調べてみると「併用すれば最強です」みたいな記事ばかりで、正直モヤモヤしませんか。
この記事では、AIアプリとオンライン英会話をどう使い分ければいいのか、僕自身の失敗も含めて整理します。
僕は2022年、ELSA Speakとオンライン英会話(Cambly)を9ヶ月併用していました。
その間のレッスンは164回。すべて録画が残っています。
きれいな成功談ではなく、録画に残っていた「事件」も、併用をやめた失敗もそのまま書きます。

✍️ この記事を書いている人(フクさん)
純ジャパからTOEFL iBT108(旧形式)を取得し、世界Top15大学院(QS/THE)をGPA4.0で修了。ELSAを1年使用後、永久会員として再開。Camblyは2年で300回以上。実際に僕が試して、続いた方法と失敗した方法をそのまま書きます。
✅ この記事でわかること
- AIアプリと講師、それぞれに「構造的にできないこと」
- 併用の型3ステップ(何を任せて、何を持ち込むか)
- 週4回レッスン×週20分アプリ、9ヶ月164回の実録
- 録画に残っていたL/Rの取り違えと、講師の証言
- 4年後の答え合わせでわかった「単語テストの限界」
- 併用のやめどきと、やめるときに残すべきもの

シマちゃん(読者代表)
アプリとオンライン英会話の両方って、時間もお金も2倍にならない?続けられる気がしないよ……。

フクさん(筆者)
うん。実際僕も一度そのパターンで失敗してる。だからこそ「全部やらない併用」の話をするね。
結論|併用は「アプリで測って、講師で直す」の分担ができたときだけ機能します
まず結論からいきます。
併用の答えは「両方がんばる」ではありません。
役割を分けて、順番を決めることです。💡 併用の役割分担(この記事の結論)
- ELSA(AIアプリ): 弱点の「発見」と、毎日の「測定」。例えるなら体重計です
- 講師(オンライン英会話): 直し方の「指導」と、実会話での「答え合わせ」。例えるならトレーナーです
- 順番: アプリであぶり出す → 講師に持ち込む → アプリで測り直す
「両方やれば2倍伸びる」という話ではないです。
アプリは「できているか」を何度でも測れる。でも、口の動かし方までは教えてくれない。
講師はその場で直してくれる。でも、毎日すべての単語をチェックしてくれるわけではない。
そういう関係です。
逆に、分担を決めずに「どっちも毎日やろう」と始めると、時間の奪い合いになって片方が消えます。
僕はこれをやりました。
その顛末も含めて、順番に書いていきます。

アプリだけ・講師だけで済まない理由|実は、アプリだけではカバーしにくいことと、講師だけでは続けにくいことがあります。
「片方だけでよくない?」という疑問には、先に答えておきます。
発音を細かく直していくなら、アプリだけでは足りない部分があり、講師だけでも難しい部分があります。
| できること | ELSA(AIアプリ) | 講師(オンライン英会話) |
|---|---|---|
| 多様な発音を毎日測る | ○(1語10秒・24時間) | ×(週数回が限界) |
| 進歩の数値化 | ○(スコアで残る) | ×(感覚ベース) |
| 口の形を見て直す | ×(音声だけで判定) | ○(画面越しに見せ合える) |
| 「なぜ」の説明 | ×(スコアは出るが理由は薄い) | ○(質問できる) |
| 実会話で崩れないかの確認 | ×(後述します) | ○(会話そのものだから) |
表の下3つが、講師にしかできないことです。
例えば僕は、ELSAで「/uː/と/ʊ/は別の音」という概念を知りました。
でも、口をどう動かせばその音になるのかまでは、アプリの画面からは分かりませんでした。
これを解決してくれたのは、発音が得意な先生でした。
苦手な母音のペアをレッスンに持ち込んだら、僕の口元を画面越しに見ながら、一つずつ直してくれたんです。

逆に、講師に「毎日僕の発音を測ってください」とは頼めません。どうしてもオンライン英会話の限られた30分のレッスンで、話したすべての単語を細かく採点してもらうのは現実的ではありません。
一方で、アプリなら気軽にあなたの話した全単語の発音が正しいかチェックすることだって可能です。
毎日の測定はアプリ、直し方と答え合わせは講師。この分担は、どちらかの手抜きではなく構造の問題です。
併用の型|3ステップで回します(何を任せて、何を持ち込むか)
ここが本題。
僕が9ヶ月の併用でたどり着いた型は、3ステップだけでした。

Step 1:ELSAで「自分が苦手そうな音」を見つける
📝 やること
- スピーチアナライザーで間違った発音を可視化する。
- スコアが低かった音をリスト化する。
- 講師に指摘されたことがある音も、同じリストに足す。
ELSAなら、スピーチアナライザーで自分では気づきにくいあなたの発音の弱点を可視化できます。

これをリスト化していくイメージです。(project のo, participantsのaなど…)
具体的な手順は、別の記事に全部書いています。

Step 2:リストを講師に持ち込む
📝 やること
- レッスンの冒頭で「この音を聞いてほしい」と伝える(5分でいい)
- 口の動かし方を実演してもらい、自分の口元も見てもらう
- 「なぜそう聞こえるのか」を質問する
丸ごと1レッスンを発音に使う必要はありません。
リストがあると、講師側も「今日は何を直せばいいか」が一瞬で分かります。
「発音を直してください」と漠然と頼むより、講師も何を見るべきか分かるので、短い時間でも具体的なフィードバックをもらいやすくなります。
Step 3:直された音を、ELSAで毎日測り直す
📝 やること
- 教わった口の形を思い出しながら、同じ音を辞書やスキルレッスンで測る
- 時間は1日1〜5分でOK。僕は週20分ほどでした
- スコアが安定したらリストから外し、次の音へ
レッスン中はできても、数日後に同じ口の動きを再現しようとすると「あれ、どうやるんだっけ?」となりがちです。
だから翌日からもう一度測って、「昨日できた口の動きが今日もできるか」を確認します。
ここでアプリに長時間かける必要はないです。
むしろ、かけすぎるとレッスンとの時間の奪い合いが始まります(後述する僕の失敗です)。

シマちゃん(読者代表)
型は分かったけど、これって本当に効果あるの?フクさんが実際にやった結果を見せてよ。

フクさん(筆者)
じゃあ、実際に僕がどうだったのかを見せるね。164回分のレッスン録画を見返してみたら、面白いことが残っていたんだ。
実録|週4回レッスン×週20分ELSAを9ヶ月続けて、録画に残っていたこと
まず、併用の実数を出します。
2022年1月〜9月、Camblyのレッスン履歴に残っていた回数は合計164回でした。
ならすと週4回ペースです。
一方のELSAは、週20分ほど。
時間配分は、レッスン側に大きく偏った併用です。
でも、この「アプリは少しだけ」の併用が機能していた証拠が、録画に残っていました。
録画に残っていた「事件」|fraudがfloodになった日
2022年5月19日のレッスンです。
日本の社会問題の話になり、僕は「一番の問題は詐欺(fraud)かも」と言おうとしました。
口から出たのは「flood(洪水)」でした。L と R の取り違えです。
すぐに自分で言い直しました。そのとき、先生からこんなことを言われました。
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“I think the entire time that I have known you these past months, I think this is the one time you have mixed them up, but it’s very rare for you.”
訳:この数ヶ月ずっと見てきたけど、LとRを取り違えたのはたぶんこれが初めて。あなたには本当に珍しい。
当時の僕はELSAでL/Rを集中特訓した後でした。
少なくとも、その先生が数ヶ月間僕の英語を聞いてきた中では、L/Rを取り違えた記憶はほとんどなかったようです。
じゃあ、なぜfraudだけ間違えたのか
実はこのレッスンで、僕自身が原因を口にしていました。
💬 当時の僕の発言(録画より)
“I learned it before I knew the concept of the difference between L and R. So I remember in Japanese pronunciation way.”
訳:この単語は、LとRの違いという概念を知る前に覚えたんです。だから日本語の発音のまま記憶していて。
fraudは、僕がLとRの概念を知る前に覚えた単語でした。
ELSAでL/Rの概念を入れた後に出会った単語は、正しく発音できる。
でも概念を入れる前に覚えた単語には、古いカタカナのラベルが貼られたまま残っていました。
このとき以来、むしろ昔から知っている単語ほど、一度疑ったほうがいいと思うようになりました。

シマちゃん(読者代表)
なるほど……。中学から知ってる単語のほうが危ないって、逆説的だけど納得しちゃった。

フクさん(筆者)
しかもこの古いラベル、単語テストだと見つからないんだ。それが次の答え合わせで証明されるよ。
4年後の答え合わせ|単語テスト95%でも、実会話の崩れは検出できません
4年経った今、もう一度この2語をELSAで測ってみることにしました。
2026年の今、あの2語を現行版ELSAの辞書テストで測ったらどうなるのか。
4年越しの答え合わせです。
| 単語 | 2022年の実会話 | 2026年の辞書テスト |
|---|---|---|
| fraud | floodと取り違えた | 95% |
| flood | (fraudの代わりに出てきた) | 98% |


fraud 95%、flood 98%(いずれも2026年8月・各1回の測定です)。
この結果を見て、僕は2つのことを感じました。
4年経っても、口はまだ音を作れていました。少なくとも僕の場合、4年経っても「音の作り方」そのものは完全には忘れていないようでした。
ただし、単語テストが測っているのは「口がその音を作れるか」だけ。
「会話の最中に、正しい方が口から出てくるか」は測れていません。実はこの「単語では高得点・実戦では崩れる」という構造、別の検証でも同じ結果が出ています。
講師に直された10語を単語テストで測ったら全部95〜99%だったのに、文章で読むと同じ場所が検出された、という実測です。

アプリで測るだけで終わらせず、実際の会話で使えるかまで確認する。僕自身は、この組み合わせが一番しっくりきました。
併用はいつまで?|やめていいです。ただし「測り直す手段」だけは残してください
「両方にずっと課金し続けるのは無理」という声に答えます。併用は永久に続けなくても大丈夫です。
現に僕は、9ヶ月でELSAを一度やめました。(最近、また発音が崩れてきていると思い、再度購入しました)

やめたこと自体は、失敗じゃなかった
やめた理由は不満ではなく、時間の奪い合いです。
当時はレッスンを週4回ペースで受けていて、その予習復習だけで英語時間が埋まっていました。
アプリを開く優先度は自然に下がって、そのまま自然消滅しました。
直したかった音は直っていたので、卒業といえば卒業です。
ここまでは、たぶん正解でした。
失敗は、測る手段まで一緒に手放したこと
問題はその後です。
僕はELSAをやめたとき、「発音は直ったから、もう測らなくていい」と思っていました。
でも発音は、直したら終わりではありませんでした。
意識しなくなった瞬間から、少しずつ惰性で崩れていきます。崩れたことに、測っていないから気づけない。
実際、その後ネイティブ講師たちから発音について指摘を受けることはもちろんありました。

✅ やめるときに残すもの
- いつでも測り直せる状態(アプリを消さない)
- 自分の弱点音リスト(これが再開時の地図になります)
- 「あの単語、怪しいかも」と思った瞬間に測る習慣
❌ 手放していいもの
- 毎日のノルマ・Streak維持のプレッシャー
- 全機能を使いこなそうとすること
- アプリへの長時間投資(レッスンと奪い合いになります)
理想を言えば、測定は細く長く続けたほうがいいです。
僕の場合、意識して確認しなくなると、少しずつ発音が雑になっていることに気づきました。
そして4年後、発音をもう一度確認したくなって、僕は結局ELSAを買い直しました。
月額をやめても「測り直せる状態」だけは手元に残ります。
毎日使うわけではなく、「気になったときだけ測り直したい」という使い方なら、僕にとっては買い切りプランが合っていました。

シマちゃん(読者代表)
使ってやめてを繰り返した人の意見は参考になるね……。

フクさん(筆者)
正直、4年前の僕に「アプリは消してもいいから、たまに測れ」って言いに行きたいよ。
始める順番と費用|「弱点が見えているか」で決めます
最後に、これから始める人向けの現実的な話です。
どっちから始めるか

💡 順番の目安
- すでにオンライン英会話をやっている人: ELSAを足すだけ。講師に指摘された音のリスト化(Step 1)から始めてください
- どちらもまだの人: 講師レッスンが先です。何が苦手か分からない状態でアプリを開くと、機能の多さで迷子になります
- 発音だけ気になっている人: ELSAの無料版で怪しい単語を測ってみて、直したい音が見つかったらレッスンを検討する順でもOKです
レベル別に言うと、こうなります。
- 🔰 初心者: 発音より先に「話す量」。レッスン主体で、ELSAは辞書だけでいいです
- 📈 中級者: 指摘された音のリスト化から。この記事の3ステップをそのまま使ってください
- 🎯 上級者: 維持フェーズ。週20分ほど測るだけでも、「最近ちょっと崩れてるかも」と早めに気づけます
費用の考え方
ELSAは無料版から試せます。
有料プランの料金は改定が多く、購入する経路(公式サイトかアプリ内か)でも変わるので、この記事にはあえて金額を書きません。
最新の価格は公式サイトで確認してください。
オンライン英会話側は、サービスごとに料金も性格も違います。
3社を実際に使って比較した記事があるので、選ぶ段階の人はこちらをどうぞ。

よくある質問(FAQ)
Q1. 併用する時間が取れません。最低ラインはどれくらいですか?
アプリ側は週20分で足ります。
僕の9ヶ月がまさにその配分でした(レッスン週4回に対してELSAは週20分ほど)。
毎日やることより、レッスンの前後に測ることを軸にすると続きます。
Q2. ELSA以外のAI発音アプリでも、同じ併用ができますか?
型としては「弱点をリスト化→講師に持ち込む→測り直す」なので、考え方としては、ELSA以外でも応用できると思います。ただ、実際に僕が長期間使って検証したのはELSAだけです。
他のアプリで同じ精度が出るかは、正直分かりません。
Q3. 講師はネイティブじゃないとダメですか?
口の形を見せて直せる先生であることが本質です。
僕の検証がたまたまネイティブ講師だっただけで、発音指導が得意な先生なら国籍は問わないと思います。
Q4. イギリス英語を練習したいのですが、この併用は使えますか?
注意が必要です。
ELSAはチューター音声を7種類のアクセントから選べます。
でも採点は常にアメリカ英語基準です(公式ヘルプに明記されています)。
イギリス英語が目標なら、測定より講師主体の学習をおすすめします。
Q5. 単語テストで95%以上出ていれば、発音は完成ですか?
この記事の答え合わせの通り、単語スコアでは実会話の崩れは見えません。
僕は95%と98%の2語を、実会話で取り違えました。
単語テストと文章・会話のギャップについては、検証記事で詳しく書いています。

シマちゃん(読者代表)
「両方フルでやらなきゃ」って思い込んでたけど、アプリは週20分でいいなら僕にもできそう!

フクさん(筆者)
それで十分。最後に要点をまとめるね。
まとめ|アプリは計測器、講師は矯正者。順番は「測ってから、持ち込む」
最後に、この記事の要点をまとめます。
✅ この記事の要点
- 併用の答えは「両方がんばる」ではなく役割分担。アプリで測って、講師で直す
- 型は3ステップ。リスト化 → 持ち込む → 測り直す。アプリは週20分でいい
- 概念を入れた後の単語は崩れにくい。危ないのは昔から知っている単語
- 単語テスト95%でも実会話では取り違える。答え合わせは講師にしかできない
- 併用はやめていい。ただし「測り直せる状態」だけは手放さない
自分の「怪しい10語」を測るところから試してみてください。
そこで見つかった弱点を、次のレッスンで講師にそのまま見せてみてください。
「アプリで見つける → 人に直してもらう → もう一度測る」。まずはこの3ステップだけで十分です。
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