ELSA Speakで発音100%を達成。
でもネイティブ講師には発音を直されまくりました。記録に残っているだけで53件です。
——ELSAの発音採点って、信用していいの?
この記事では、その疑問に実測で答えます。講師に直された単語をELSAでテストし直し、単語と文章でスコアがどう変わるかを検証しました。
実際に検証してみて、僕自身もELSAのスコアの見方が少し変わりました。その過程を、順番にお見せします。

✍️ この記事を書いている人(フクさん)
純ジャパからTOEFL iBT108を取得し、世界Top15大学院(QS/THE)をGPA4.0で修了。
Camblyは2年以上、約300回受講。ELSA Speakも1年間使い、その後やめて、2026年にもう一度検証のため再開しました。
※ TOEFL iBT 108 は2026年1月21日の形式改定より前のスコアです。現在のTOEFLは1〜6のバンド表記に変わっています。
✅ この記事でわかること
- 「発音100%」なのに講師に直された理由(時系列つき)
- 講師に直された単語10語を、ELSAで測り直した結果
- 単語では95〜99%、文章では90に下がる実測データ
- ELSAの検出箇所と、講師3人の指摘の突き合わせ結果
- 単語テストで「クセの漏れ」が見えない理由
- ELSAとネイティブ講師の正しい使い分け

シマちゃん(読者代表)
発音100%なのに53件も直されたの…? それ、ELSAの採点が甘すぎるってことじゃないの?

フクさん(筆者)
僕も最初はそう疑ったんだ。でも検証したら、答えは「甘い」でも「厳しい」でもなかった。測り方の問題だったんだよ。
結論|ELSAが文章の中で見つけた弱点は、講師の指摘とほぼ同じでした
先に結論をまとめます。
✅ 検証でわかったこと(2026年8月実測)
- 講師に直された単語10語を1語ずつ測ると、全部95〜99%だった
- 同じ単語を文章の中で読むと、総合90に下がった
- 文章で減点された場所は、講師に直された場所とほぼ一致した
つまりELSAの検出力そのものは、人間の指摘とかなり重なります。問題は「単語を1語ずつ丁寧に読むテスト」だと、普段のクセが出ないことです。
「発音100%」と「53件の指摘」は、矛盾していませんでした。測っていた場面が違っただけです。
ここから、検証の中身を順番にお見せします。
前提|「発音100%」は4年前のスコアです
まず「発音100%」について。これは4年前に達成したスコアです。
僕は2021年10月からの1年間、ELSAを使っていた時期があります。苦手な音に絞って週20分ほど矯正に使っていました。先日再開したところ、アカウントには総合95%・発音100%というスコアが残っていました。

一方の「53件の指摘」は、一度ELSAをやめた後の話です。忙しくなってオンライン英会話に軸足を移したら、今度はネイティブ講師に発音を直されまくりました。oldのL、projectの「プロ」、語末のs。記録に残っているだけで53件です。その記録はこちらの記事たちに全部書いています。

つまり「ELSAで満点取得」→「その後、人間に直されまくる」ということを経験しました。

今のELSAは、あの苦手単語たちをどう判定するのか。ちょうどいい答え合わせができるはずです。それがこの記事の検証です。
なお、スコアは再開時点でアカウントに表示されていた値で、当時の利用分に基づくものです。語彙・文法の欄が「–」のままなのは、当時その採点がなかった(またはやらなかった)ためです。
よくある勘違い|僕自身、最初はスコアをこう読み違えそうになりました
検証結果を見る前に、スコアについて僕自身が勘違いしそうになったことを2つだけ共有します。
間違い1: 単語テストの高得点を「発音が完成した」と読む
辞書やレッスンで95%が出ると、その音は卒業した気になります。
単語を1語だけ読むときは、その音だけに集中できます。口の形も舌の位置も意識できる。
でも文章になると、次の単語や内容を考えながら話すことになります。そのときに同じ発音ができるかは、また別の話です。
間違い2: 総合スコアを「実力の証明」と読む
ELSAには総合スコアやCEFR表示、他のテストへの換算値まであります。数字が並ぶと、つい実力の証明書として見たくなります。
僕の場合、ELSAの換算値と実際のTOEFLスピーキングには差がありました。用意された文章を読む力と、その場で考えて話す力は、やはり別に見た方がよさそうです。
検証1|講師に直された10語を測ったら、全部95〜99%でした
では、講師に直された53件のうち10語を選び、今のELSAで測ってみます。まず、講師に直された記録から10語を選び、ELSAの辞書機能で1語ずつ発音しました。何度も録り直して高得点を狙うのはやめて、すべて1回目のスコアだけを記録しました。
結果がこちら。
| 単語 | 講師に直されたポイント | ELSA単語スコア |
|---|---|---|
| level | 語末のLが「ル」になる | 99% |
| project | 「プロ」ではなく「プラ」 | 99% |
| participants | 強勢の位置(2人の講師が指摘) | 99% |
| sleep | slipに聞こえる | 99% |
| decision | deceaseに聞こえる・強勢の位置(2人が別々に指摘) | 98% |
| old | 「オゥ+ダークL」が消える | 98% |
| problem | 複数形problemsが「blums」に聞こえる | 98% |
| slip | 過去形slippedがsleptに聞こえる(iが高すぎ) | 98% |
| milk | Lが「ル」になる | 95% |
| events | 語末のs(後述の面白い話あり) | 95% |

全部95%以上。あれだけ直された単語たちが、ほぼ満点です。
ここまで全部95%以上だったので、この時点では「いや、さすがに甘くない?」と思いました。

シマちゃん(読者代表)
ほら、やっぱり甘いんだよ! AIの採点なんてそんなものだって。

フクさん(筆者)
僕もそう思ったんだけどね。次の検証で、その見方がひっくり返ったんだ。同じ単語を「文章の中」で読んでみたんだよ。
検証2|文章で読むと総合90に下がり、「同じ場所」が減点されました
次に、この10語を全部埋め込んだ英文を作り、スピーチアナライザーで音読しました(録音32秒)。
結果は総合90。内訳は発音92・イントネーション94・流暢さ89・文法84です。

単語1語ずつなら95〜99%だったのに、文章になると1割近く下がりました。
さらに、スコア以上に気になったのが、どこで減点されたかでした。
アナライザーの文字起こし画面では、減点された音に赤や黄色の色がつきます。色がついた場所を、講師の指摘記録と突き合わせました。
| 文章内でELSAが検出した音 | 講師の指摘と一致? |
|---|---|
| projectの「プロ」の母音 | 一致(「プロじゃなくプラ」と実演つきで直された) |
| eventsの語末のs | 一致(「末尾のSが聞こえない」と何度も指摘) |
| milk・localのL | 一致(ダークLは一番直された音) |
| participantsの母音 | 一致(2人の講師が別々に指摘した単語) |
| technologyの強勢まわり | 一致(均等読みを直された単語) |
| old・decision・sleep・slip | 検出なし=これらは維持できていた |

今回ELSAが減点した場所を見返すと、その多くが、数年前に講師から指摘された場所と重なっていました。
これを見た瞬間、「甘い」という僕の仮説は崩れました。少なくとも今回の検証では、文章の中で読むと、講師が指摘していた弱点をかなり拾えていました。
ひとつ、面白い話を。eventsという単語、実は講師が最後には「映画でも聞くから許容範囲だよ」と指摘を撤回した音なんです。人間は文脈と経験で「まあ通じるからOK」と許してくれる。ELSAは容赦なく減点してきました。
同じ音でも、「通じるならOK」と考える人間と、基準から外れれば減点するAI。その違いがそのまま出ていて、個人的にはちょっと面白かったです。

シマちゃん(読者代表)
え、AIが数年前の先生と同じ場所を指摘したの!? それ、偶然じゃなくて…?

フクさん(筆者)
僕は偶然じゃないと思う。直りきってないクセが数年後でも見つかったからね。
なぜ単語テストでは「クセの漏れ」が見えないのか

この差は、おそらく「どこまで発音に意識を向けられるか」の違いだと思います。
単語を1語だけ読むとき、人は最大限に意識して発音します。舌の位置、口の形、全部思い出しながら読む。だから「知識として直した音」は高得点が出ます。
でも文章になると、意識は内容や次の単語に取られます。そこで、単語だけを読むときには出なかった発音の崩れが出やすくなるのかもしれません。
僕の場合、下がり方にもヒントがありました。発音・イントネーション・流暢さの3指標で、一番低かったのは流暢さ(89)です(文法84は、文字起こしの誤認識が混ざった可能性があるので参考扱いにします)。実は僕、ネイティブ講師にこう宣告されたことがあります。「あなたの課題は発音でも訛りでもなく、単語のつなげ方(リンキング)だ」と。
数年前に講師から指摘された課題が、2026年にELSAで測った数値にも残っていました。個人的には、ここが今回いちばん面白かったポイントです。
リンキング宣告の顛末はこちらです。

だから、ELSAのスコアはこう読んでください。
💡 ELSAスコアの正しい読み方
- 単語テストの高得点 = 「意識すれば正しく言える」の証明。完成の証明ではない
- 文章・スピーチのスコア = 普段のクセ込みの実力。こちらを定点観測する
- 色つきハイライトの場所 = あなたが本当に潰すべき音のリスト
正しい使い方|ELSAで「あぶり出し」、講師に「直し方」を聞く
検証を踏まえた、僕のおすすめの使い方です。役割分担が鍵になります。
Step 1: ELSAで弱点音をあぶり出す
文章音読のハイライトで、自分のクセが漏れる音を特定します。こういう「何度も測って傾向を見る」作業は、AIアプリの得意分野だと思います。時間を気にせず、同じ条件で何度でも確認できます。
Step 2: 直し方は人間の先生に聞く
ELSAは「どこが違うか」は教えてくれますが、「口をどう動かせば直るか」まではわかりにくい。ここは人間です。
僕には忘れられないレッスンがあります。発音が得意な講師に、苦手な音のリストを持ち込んだ回です。「ウ」の2種類(/uː/ と /ʊ/)、「イ」の2種類(/iː/ と /ɪ/)、「ヂ」(/dʒ/)と「ジ」(/ʒ/)。僕の口の形を見ながら、一つずつ直してくれました。 画面越しでも口元は見えます。
少なくとも、僕が使った範囲では、AIアプリだけで「自分の口元を見てもらいながら直す」ことはできませんでした。
Step 3: 直し方をELSAで反復する
先生に教わった口の動きを、ELSAで毎日確認します。先生に毎日会うことはできませんが、計測器なら毎日使えます。

僕の場合、ELSAだけを触っていたときより、「苦手な音を見つけて講師に聞く」ようになってからの方が、何を直せばいいかが明確になりました。
📝 セット運用の3ステップまとめ
- Step 1: ELSAの文章音読で、クセが漏れる音をあぶり出す(毎日できる)
- Step 2: その音のリストを持って、講師に口の動きを教わる(週1回で十分)
- Step 3: 教わった動きをELSAで毎日反復し、数値で確認する
ELSA側の具体的な2週間の回し方は、こちらにまとめています。

レベル別|この検証結果をどう活かすか
最後に、この検証結果の活かし方をレベル別にまとめておきます。自分の段階のところだけ読めば大丈夫です。
✅ レベル別の活かし方
- 🔰 初心者: まず単語テストでOK。90%を超えたら文章音読に進む、の2段構えで
- 📈 中級者: 文章音読のハイライトを弱点リストにする。単語の点数は気にしすぎない
- 🎯 上級者: 流暢さとイントネーションの数値を追う。単語より「つなげ方」が伸びしろです
よくある質問(FAQ)
Q1. 結局、ELSAの採点は甘いんですか?
単語単発のテストは甘めに出やすい、が僕の実測の結論です。ただし文章音読では、人間の講師の指摘とほぼ同じ場所を検出しました。「甘い/厳しい」より「単語と文章で見えるものが違う」と理解するのが正確だと思います。
Q2. ELSAと講師の言うことが食い違ったらどっちを信じる?
僕の場合、ELSAで「怪しい場所」を見つけて、その音を本当に直すべきかは講師にも聞くようにしています。
ELSAの採点基準は常にアメリカ英語です。イギリス寄りの発音や、文脈的に許容される音まで減点されることがあります。実際、講師が「許容範囲」と言った音をELSAは減点しました。
Q3. テスト換算スコア(IELTS/TOEFL相当)は信用できますか?
参考程度をおすすめします。僕の音読はTOEFL29/30相当と出ましたが、実際のTOEFLスピーキングは24(旧形式)でした。読み上げと即興スピーキングは別の能力です。
Q4. 発音診断テストで最初に実力を測れますか?
僕が確認した範囲では、現在のELSAには「最初に総合的な実力を診断する専用テスト」は見つかりませんでした。
公式ヘルプも「アセスメントテストはない」と回答していますし、僕もアプリ内を探しましたが見つかりませんでした。代わりに、この記事のように「単語10語+文章音読」を自分でやるのが実質的な診断になります。
Q5. この検証は無料版でもできますか?
一部できます。スピーチアナライザーをフルに使うには有料プラン(Premium)が必要です。無料版は各モジュールの最初の2レッスンを試せる形です。ただ、辞書の単語テストが無料版でどこまで使えるかは未確認です(僕はPremiumで検証しました)。まず無料枠で触ってみて、文章での検証がしたくなったら課金を検討する順番で十分だと思います。
まとめ|「発音100%」は嘘じゃない。でも完成でもない
検証結果をまとめます。
✅ この検証の結論
- 単語テストは「意識すれば言える」を測っている(95〜99%)
- 文章音読は「普段のクセ」を暴く(総合90・検出箇所は講師の指摘とほぼ一致)
- ELSAであぶり出し、講師に直し方を聞き、ELSAで反復する——僕にはこのセットが一番効いた
「発音100%」も、講師から53件指摘されたことも、僕の中では矛盾しなくなりました。
単語を1語ずつ丁寧に言えることと、文章や会話の中で同じ発音ができることは、どうやら別だったからです。
まずはあなたも、怪しい単語を文章に混ぜて読んでみてください。色がついた場所から、次に直す音を1つだけ選んでみてください。

シマちゃん(読者代表)
AIが甘いんじゃなくて、測り方が甘かったのか…。文章で測るの、ちょっと怖いけどやってみるよ。

フクさん(筆者)
低く出ても落ち込まなくていいよ。色がついた場所は、これから確実に良くなる場所リストなんだから。
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この検証の「講師に直された53件」の中身は、こちらのシリーズで読めます。

※ 機能・仕様の確認日: 2026年8月26日(iOS版アプリで実機確認。スコアはすべて筆者アカウントの実測値)
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