「遠慮」が英語で出てこない——日本文化の説明で詰んだ英語9選|Cambly 300回の記録 Vol.10

“Japanese people are trying to be polite and not to bother them.”

——「親が遠慮して来なかった」と言いたかっただけなのに、僕の口から出たのはこの遠回りな説明でした。

「遠慮」に当たる英単語が、どうしても出てこない。

というより、そんな単語は最初から存在しませんでした。

この記事では、Camblyのレッスンで日本の文化を説明しようとして詰んだ9つの場面を実録で公開します。

すべて「詰んだ英語」と「実際に乗り切った表現・講師の反応」のセットつきです。

フクさん(筆者)

✍️ この記事を書いている人(フクさん)

純ジャパからTOEFL iBT108を取得し、世界Top15大学院(QS/THE)をGPA4.0で修了。
Camblyを2年以上使い倒した英語学習メンター。精神論ではなく再現性のある方法を伝えます。

✅ この記事でわかること

  • 「遠慮」に英訳がないときの乗り切り方(文化ごと説明する)
  • 温泉のマナーとタトゥーNGの理由を英語でどう伝えたか
  • 「おとうさん」が敬語の2階建てだと説明したら通じた話
  • 玄関・命名式・ヒートテックなど例文集にない実録ネタ
  • 翻訳できない言葉を説明する4ステップの「型」
  • 日本文化ネタがフリートーク最強の練習台である理由
シマちゃん

シマちゃん(読者代表)

「日本ではどうなの?」って聞かれると毎回フリーズしちゃう…。日本のことなのに答えられないの、地味にへこむんだよね。

フクさん

フクさん(筆者)

わかるよ、僕も300回のレッスンで何十回も詰んだからね。今回はその中から、特に「日本人なら誰でも聞かれる」9つを持ってきたよ。

目次

結論: 日本文化の英語は「知識」ではなく「言語化」の勝負でした

先に今回の学びを言います。

日本文化が英語で説明できないのは、英語力の問題だけではありません。

日本語でも言語化したことがないものは、英語では絶対に出てこないからです。

例えば「遠慮」の意味を、日本語で説明したことはあるでしょうか。

「温泉でタトゥーがダメな理由」を、日本語で誰かに解説したことは?

僕はありませんでした。

当たり前すぎて、考えたことすらなかったんです。

だから聞かれた瞬間、英語以前に「何を言うか」で頭が真っ白になりました。

でも逆に言えば、一度自分の言葉で説明してしまえば、次からはスラスラ出ます。

今回の9つは、その「詰んだ→自分の言葉で説明できた」の記録です。

日本文化の英語説明で詰んだ9場面を「翻訳できない言葉・マナーと習慣・家族の伝統行事・観光と季節」の4カテゴリに整理したマップ図

ちなみに、海外生活のトラブル現場で詰んだ英語は前回のVol.9にまとめています。

あわせて読みたい
「空港で、僕の英語は3回詰んだ」——海外生活トラブルで出なかった英語9選|Cambly 300回の記録 Vol.9 "We took two and a half hours to... how do you say, put our baggage." ——正月明けの羽田空港、バッグドロップに2時間半並んだ地獄を、後日M先生に報告したときの英...

今回は現場ではなく、レッスンの椅子の上で詰んだ話です。

それでは、9つの実録を順番に見ていきます。

#1・#2 翻訳できない言葉で詰んだ——「遠慮」と「おとうさん」

まずは、訳語がそもそも存在しない日本語の話からです。

#1 「遠慮」が英語で出てこない——文化ごと説明して乗り切った

最初は、タイトルにした「遠慮」の話です。

年末のレッスンで、M先生に近況を聞かれました。

「年末はご両親と過ごすの?」という、ただの雑談です。

僕は「親が遠慮して来なかったんですよ」と言おうとして、固まりました。

遠慮。

……遠慮って、英語でなんて言うんだ?

💬 僕が言った英語

“They didn’t want to… Japanese people are trying to be polite and not to bother them.”

(意図: 親が遠慮して来なかった → 日本人は礼儀として、相手に迷惑をかけないようにするんです)

「遠慮」という単語を探すのを諦めて、日本人の行動原理ごと説明する作戦に切り替えました。

「日本人は年末は相手が忙しいと思って、迷惑をかけないように控えるんです」と。

すると、M先生はこう返してくれました。

💬 講師の反応(M先生・アメリカ)

“Maybe because everyone is tired at the end of the year.”

訳:年末はみんな疲れてるからかもね。(→ 文化の説明が伝わり、先生なりの解釈で会話が続いた)

完璧な訳語じゃなくても、行動の理由まで説明すれば会話は続きます。

あとで調べてわかったのですが、「遠慮」に1対1で対応する英単語は存在しませんでした。

あえて言うなら hold back(控える)ですが、「相手を思いやって」のニュアンスは含まれません。

つまりこれは、単語力の問題ではなく「文化の説明力」の問題だったんです。

💡 「遠慮」を英語で伝えるパーツ

  • 控える: hold back / refrain from doing something
  • 思いやりから: out of consideration for others
  • 迷惑をかけたくない: not to bother them / don’t want to be a burden
  • 丁寧にしようとして: trying to be polite

余談ですが、このレッスンの自動字幕は僕の「enryo」を Harusei と誤変換していました。

日本語のまま言っても、機械にも人間にも通じません。

💡 ポイント: 「遠慮」に訳語はない。単語を探すより、行動と理由(polite / not to bother)を文で説明する。

#2 「おとうさん」は敬語の2階建て——呼び方を構造で説明した

2つ目は、育児の話題から生まれた「敬語の構造」の話です。

うちでは息子に、最初から「おとうさん・おかあさん」で教えています。

その方針をレッスンで話したとき、M先生に「mama/papaじゃないの?」と聞かれました。

ここで詰みました。

「おとうさん」と「パパ」の違いって、英語でどう説明するんだ?

考えた末に、僕は単語を分解する作戦に出ました。

💬 実際に乗り切った言い方(僕→M先生)

“O is a polite prefix, and san is a polite suffix. So ‘otosan’ is like… daddy with two polite parts.”

訳:「お」は丁寧の接頭辞、「さん」は丁寧の接尾辞。つまり「おとうさん」は、丁寧パーツが2つ付いたdaddyなんです。

M先生は “Prefix and suffix!” と面白がって、3つのパーツに分解して理解してくれました。

文法用語(prefix / suffix)を借りると、日本語の構造は一気に説明しやすくなります。

さらに、日本の呼び方の機微も話しました。

日本では大人の男性が「ママ・パパ」と言うと、少し子どもっぽく聞こえること。

僕のいとこは、周りの目を気にして12〜13歳で「おとうさん」呼びに自分で切り替えたこと。

M先生は “Like saying mommy and daddy as an adult.” と返してくれました。

大人がマミー・ダディと呼ぶ感覚か、とアメリカ側に引きつけて納得してくれたんです。

💡 日本語の敬語を説明するパーツ

  • 丁寧の接頭辞・接尾辞: polite prefix / polite suffix
  • 敬語(総称): honorifics / polite language
  • 子どもっぽい: babyish / sounds childish
  • 思春期に呼び方を変える: switch when they hit their teens

💡 ポイント: 敬語は「尊敬語・謙譲語…」と体系から説明しない。目の前の単語1個を prefix / suffix で分解するほうが伝わる。

#3・#4 温泉のマナーとタトゥー——「何がダメか」より「なぜダメか」で詰む

3つ目と4つ目は、外国人からの質問率がたぶん一番高い温泉の話です。

#3 温泉のマナー——「ルールの列挙」までは言えた

温泉の話をしたら、M先生から直球の質問が来ました。

“What is the etiquette in a hot spring?”(温泉のマナーってどうなってるの?)

etiquette という単語をもらえたおかげで、ルールの列挙はなんとかなりました。

💬 実際に乗り切った言い方(僕→M先生)

“No towels in the water, no clothes, and no tattoos. Some people put tape on their tattoos to hide them.”

訳:お湯にタオルを入れない、服も着ない、タトゥーも禁止。タトゥーをテープで隠して入る人もいます。

no + 名詞を並べるだけの、シンプルな英語です。

でも、マナーの説明はこれで十分伝わりました。

ルール系の説明は「No ○○」の列挙で戦えるというのは、大きな発見でした。

#4 「なんでタトゥーがダメなの?」——歴史から説明する羽目になった

問題はここからです。

当然の流れとして、「なんでタトゥーがダメなの?」と理由を聞かれました。

考えたこともありませんでした。

しばらく固まってから、記憶の引き出しを総動員して説明しました。

💬 僕が言った英語

“Tattoo means Yakuza, Japanese mafia. And historically, arrested people had tattoos.”

(意図: タトゥー=ヤクザの連想があって、歴史的には罪人の入れ墨の文化もあった)

つたない説明でしたが、M先生は一言で整理してくれました。

💬 講師の反応(M先生・アメリカ)

“So there’s a stigma, like mafia.”

訳:つまりスティグマ(負のイメージ)があるんだね、マフィア的な。

stigma(負の烙印)。

この一語で、僕の3文がきれいにまとまりました。

タトゥーNGの理由を英語で説明する3点セット(ヤクザの連想・罪人の入れ墨の歴史・stigmaの一語でまとめる)の整理図

さらに別の回では、日米のタトゥー観の違いにも話が広がりました。

僕から「アメリカでは医師や不動産屋さんでも普通に入れてますよね」と振ってみました。

M先生も “Very educated people here also have tattoos.” と同意。

逆に日本側は、「接客業だと採用されにくい」「伝統的な企業だと隠せても難しいと思う」と僕の実感を話しました。

すると先生は “Even if you can hide it?”(隠せてもダメなの?)と食いついてきました。

文化の説明は、1回で終わりません。

説明→追加質問→また説明、のラリーになります。

だからこそ、最高のスピーキング練習になるんです。

⚠️ 温泉・タトゥーの説明で詰みやすい点

  • 「入れ墨お断り」の直訳を探して固まる → No tattoos (allowed). で十分
  • 「なぜ?」に答える準備がない → 歴史とイメージ(stigma)で説明する
  • 断定しすぎる → 「最近はタトゥーOKの施設もある」と幅を残すと誠実

💡 ポイント: マナーは「No ○○」の列挙、理由は stigma(負のイメージ)という単語が武器になる。

#5・#6 家の中の文化で詰んだ——玄関と命名式

続いては、家の中にある「当たり前」の話です。

#5 玄関の外で靴を脱いだ男——foyer という単語と義実家の思い出

5つ目は、「玄関で靴を脱ぐ」文化の話です。

これ自体は有名なので、説明のハードルは低めでした。

詰んだのは「玄関」という単語です。

💬 僕が言った英語

“We have this entrance, the place we take off shoes…”

(意図: 玄関っていう、靴を脱ぐ場所があって…)

💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)

“The foyer. It’s the entrance area of the house.”

訳:foyer(玄関ホール)だね。家の入口のエリアのことだよ。

foyer(フォイヤー)。

正直、この単語は300回のレッスンで教わるまで見たこともありませんでした。

そしてこの話には、僕の黒歴史がセットで付いてきます。

義実家に初めて挨拶に行った日、僕は緊張しすぎて、玄関の外で靴を脱ぎました。

ドアの外です。

義母には、その場でめちゃくちゃ笑われました。

このエピソードをレッスンで話したら、M先生も大笑い。

“That’s normal, you felt pressure.”(プレッシャーでそうなるのは普通だよ)とフォローされました。

文化の説明に自分の失敗談を1個混ぜると、会話の熱量が一気に上がります。

✅ 靴を脱ぐ文化の説明パーツ

  • 玄関: the foyer / the entrance area
  • 靴を脱ぐ: take off our shoes at the foyer
  • スリッパに履き替える: change into slippers
  • 家の中を清潔に保つため: to keep the house clean

💡 ポイント: 「玄関」は foyer。文化説明+自分の失敗談のセットが、一番会話が盛り上がる。

#6 命名式を英語でプレゼンしたら、講師が「日本だけかも」と感動した

6つ目は、例文集ではまず見かけない「命名式」の話です。

息子が生まれたとき、命名式の予定をレッスンで話しました。

まず詰んだのが「書道・筆で書く」でした。

💬 僕が言った英語

“Japanese way of writing… all letters connected… I forgot the English word.”

(意図: 日本の書き方で、文字がつながってる感じの…単語を忘れました)

M先生が “Cursive?”(筆記体?)と助け舟を出してくれて、会話の中で calligraphy(書道)にたどり着きました。

そして命名式の本番報告は、こう乗り切りました。

💬 実際に乗り切った言い方(僕→M先生)

“We had the naming ceremony. I wrote my son’s name in calligraphy with Japanese ink, and he wore a kimono.”

訳:命名式をやりました。息子の名前を墨の書道で書いて、息子には着物を着せました。

naming ceremony は、その場で作った直訳です。

でも「naming(名付け)+ ceremony(式)」の組み合わせだけで、完璧に通じました。

M先生の反応が、忘れられません。

“We have gender reveal parties, but not naming parties. Maybe only in Japan. I love these traditions, very different and cool.”

(アメリカには性別発表パーティーはあるけど、命名パーティーはないよ。日本だけかも。こういう伝統、すごくいいね)

日本ではただの習慣が、相手にとっては「初めて聞く文化」になる。

このときの手応えが、日本文化ネタを話すのが好きになったきっかけでした。

💡 伝統行事の説明パーツ

  • 命名式: naming ceremony(直訳の造語で通じる)
  • 書道: calligraphy(cursive は「筆記体」で別物)
  • 墨: Japanese ink / black ink
  • 相手の文化と比較: like your gender reveal party(比較で距離が縮まる)

💡 ポイント: 固有の行事は「名詞+ceremony」の直訳でOK。相手の国の似た行事と比較すると一気に伝わる。

シマちゃん

シマちゃん(読者代表)

え、naming ceremony って直訳でいいんだ!?もっとちゃんとした「正解の英語」があるのかと思ってた。

フクさん

フクさん(筆者)

日本にしかないものに「正解の英語」は存在しないからね。ここからは、説明を超えて「持論プレゼン」で盛り上がった話だよ。

#7〜#9 観光と季節は「持論」で勝負——まず東京・夏は最悪・ヒートテック

後半は、観光と季節の話題です。

ここは「説明」というより「プレゼン」で盛り上がった3連発。

#7 観光案内——まず東京・富士山は遠くから見ろ

7つ目は、これも聞かれる率が高い「日本のどこに行くべき?」です。

僕はガイドブックの受け売りをやめて、持論で勝負することにしています。

ある回では、地元の小田原と箱根を、地図を画面共有しながらプレゼンしました。

💬 実際に乗り切った言い方(僕→M先生)

“Mount Fuji is too big, so it’s good to see it from a distance. Hakone is the best place — hot springs with a view of Mount Fuji.”

訳:富士山は大きすぎるから、遠くから見るのがいいんです。箱根が最高ですよ——富士山ビューの温泉があるので。

「富士山は大きすぎるから遠くから見ろ」という持論に、M先生は納得。

“You need to be far away to enjoy a good view.” と要約した上で、なんと画面の地図を写真に撮ってメモしていました。

講師が観光メモを取り始めたら、そのプレゼンは勝ちです。

別の回では「日本のどこをおすすめする?」に、こう答えました。

「まず東京。日本の見どころの7割は東京にあるというのが僕の持論です。気に入ったら京都や札幌へ」

さらにM先生は “Are there places you would not recommend?”(逆におすすめしない場所は?)と、本音を引き出しにきました。

僕は正直に、「自然が好きじゃない人には、東北は退屈かもしれない」と答えました。

おすすめだけでなく「おすすめしない」まで言うと、案内の信頼度が上がります。

ベストシーズンを聞かれたときの答えも決めています。

「外国人には春がベスト。桜があるので。僕自身は紅葉の秋が一番好きです」

💡 観光案内で使ったパーツ

  • 遠くから見る: see it from a distance
  • おすすめは: I’d recommend Tokyo first.
  • ベストシーズン: Spring is the best for cherry blossoms.
  • 正直な減点: It might be boring if you don’t like nature.

💡 ポイント: 観光案内は情報の網羅より持論。「おすすめしない場所」まで言えると会話が深くなる。

#8 「日本の夏は世界最悪」——コンクリート蓄熱理論で先生が感心した

8つ目は、観光案内の続きで出た「日本の夏」の話です。

「夏に日本に行くのはどう?」と聞かれて、僕は全力で止めました。

💬 僕が言った英語

“Japan is the worst place in summer. Too humid. I don’t recommend going in summer. Hokkaido is the exception.”

(意図: 日本の夏は最悪です。湿気がすごい。夏の来日はおすすめしません。北海道は例外)

M先生は “How is the humidity?”(湿気ってどのくらい?)と食いついてきました。

ここで僕は、かねてからの持論を展開しました。

東京の夏が特別つらいのは、地面も地下もコンクリートで、熱を溜め込むからという説です。

💬 実際に乗り切った言い方(僕→M先生)

“In Tokyo, the concrete keeps the heat. In Europe, they have stone streets, so it feels better, less humid.”

訳:東京はコンクリートが熱を溜めるんです。ヨーロッパは石畳だから、まだ過ごしやすくて湿気も少ない。

M先生の反応は “I didn’t think about the concrete.”(コンクリートのことは考えたことなかった)。

正確な都市気候の講義ではなく、あくまで生活者の実感ベースの説明です。

でも、相手が考えたことのない視点を1つ出せると、会話の主導権が取れます。

「暑いです、湿気がすごいです」で終わらせず、理由を1段掘る。

これだけで、同じ話題が「天気の雑談」から「文化と都市の話」に化けました。

💡 ポイント: 天気の話は「理由の仮説」を1つ足すと化ける。humid+「なぜなら」が鉄板の型。

#9 ヒートテックをプレゼンしたら、値段で先生が二度驚いた

9つ目は、シカゴ旅行を控えたM先生への「防寒プレゼン」です。

真冬のシカゴは氷点下の世界なので、僕は駐在経験からの装備リストを披露しました。

earmuffs(耳当て)、scarf(マフラー)、face mask。

そして本命として、ユニクロのヒートテックを紹介しました。

💬 実際に乗り切った言い方(僕→M先生)

“We call it heat tech. It’s like underwear but with some technology, very warm. If you buy it in Japan, maybe five dollars.”

訳:ヒートテックと呼ばれてるものです。下着なんですけどテクノロジー入りで、すごく暖かい。日本で買えば5ドルくらいです。

M先生の反応は、2段階でした。

まず “Oh, that’s cool! Like thermal!”(サーマルウェアみたいなものね)と機能に納得。

そして値段を聞いた瞬間、”I was expecting 70, 80, 90 dollars!”(70〜90ドルすると思ってた!)と二度目の驚き。

固有名詞のヒートテックは、当然そのままでは通じません。

でも「下着+テクノロジー+暖かい+5ドル」と、機能と数字に分解すれば完璧に伝わります。

Vol.9の「レトルト食品」と同じ、機能で説明する作戦です。

日本の固有名詞を英語で伝える分解法(ヒートテック→カテゴリ:下着・機能:テクノロジーで暖かい・数字:5ドル・比較:like thermal)のカード図

💡 ポイント: 日本の固有名詞は「カテゴリ+機能+数字」に分解する。値段の意外性は最強の会話フックになる。

翻訳できない言葉は「型」で説明する——僕がたどり着いた4ステップ

9つの実録を振り返ると、乗り切れた場面には共通の流れがありました。

僕はこれを「翻訳できない言葉の説明の型」として使い回しています。

翻訳できない日本語を英語で説明する4ステップ(直訳を諦める→ざっくり定義→具体例→相手の文化と比較)の横フロー図

💡 「説明の型」4ステップ

  • Step1 直訳を諦める: 訳語を探して沈黙するのが一番もったいない
  • Step2 ざっくり定義: It’s like ○○(カテゴリに置く)
  • Step3 具体例・数字: 行動、場面、値段で肉付けする
  • Step4 相手の文化と比較: like your ○○ で距離を縮める

例えば「遠慮」なら、こうなります。

Step1で enryo の訳語探しを諦める。

Step2で「相手を思って控えることです」とざっくり定義する。

Step3で「年末は親が忙しい息子に迷惑をかけまいと、訪問を控える」と具体例を出す。

Step4で「アメリカでも義理の実家に気を使うこと、ありますよね?」と相手側に橋を架ける。

この型の良いところは、語彙力をほとんど要求しないことです。

実際、この記事の英文を見返してほしいんですが、難しい単語は stigma と foyer くらいです。

あとは中学英語の組み合わせで、文化の説明は成立していました。

正直に言うと、僕は最初、「語彙が足りないから説明できない」と思い込んでいました。

でも本当の原因は、日本語でも説明を組み立てたことがなかったことでした。

説明の中身さえ持っていれば、器は中学英語で足ります。

シマちゃん

シマちゃん(読者代表)

なるほど…!単語帳を増やすより先に、日本語で「これってなんでだろう」を考えるほうが近道なんだね。

フクさん

フクさん(筆者)

そういうこと。だから日本文化ネタは、英語の練習台としてもすごく優秀なんだ。次でその話をするね。

日本文化ネタは、フリートーク最強の練習台です

最後に、この記事の攻略的な結論です。

日本文化の話題は「詰みやすい難所」であると同時に、フリートークの練習台として最強だと僕は思っています。

理由は3つあります。

日本文化ネタがフリートーク練習に最適な3つの理由(必ず聞かれる・講師が食いつく・説明から議論に発展する)のカード図

✅ 日本文化ネタが練習台に最適な理由

  • 必ず聞かれる: 日本人と話す講師は、日本のことを聞きたがる(準備が無駄にならない)
  • 講師が食いつく: 命名式もヒートテックも、相手には「初めての話」になる
  • 議論に発展する: 「なぜ?」「あなたはどう思う?」まで来るので、説明→意見の連続技が磨ける

しかも、ネタの在庫は無限です。

僕のレッスンでは、こんな話まで「日本文化の説明」になりました。

コロナ初期の「自粛警察」を説明した回もありました。

県外ナンバーの車がいたずらされるニュースを、”The license plate shows the prefecture.”(ナンバープレートで県がわかる)という前提から順に説明。

M先生は “Like a protest.”(抗議みたいなものか)と、なんとか消化していました。

ホストクラブを説明した回は、正直、難易度MAXでした。

「女性のお客さんが男性スタッフとの時間にお金を払う場所です」と定義から入り、「ボトル1本が2,000ドルすることも」と数字で補強。

それでも、先生の理解が追いつくまでかなりのラリーが必要でした。

うまく説明できた話も、失敗した話も、全部スピーキングの筋トレになっています。

フリートークの話題選び全般は、Vol.5にまとめています。

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そして、この練習がCamblyと相性がいい理由も1つだけ。

説明がズレたとき、ネイティブがその場で stigma や foyer のような「一言でまとまる語」をくれるからです。

自力の説明→講師の整理→言い直し、のループが1レッスンで何周も回ります。

録画も残るので、直された表現は後から拾い直せます。

Camblyの使い倒し方は、こちらにまとめています。

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シマちゃん

シマちゃん(読者代表)

日本のことなら、僕にも話せるネタが結構ありそう。次のレッスンで温泉の話、振ってみようかな。

フクさん

フクさん(筆者)

それが一番の近道だよ。詰んでも大丈夫、そのための練習台だからね。最後に9つを一覧でまとめておくよ。

まとめ——9つの「詰んだ→言えた」一覧

今回の9つを一覧にしておきます。

レッスン前の予習にどうぞ。

#場面詰んだ点使えた表現・もらった語
1親が「遠慮」して来なかった「遠慮」の訳語がないbe polite / not to bother them(文化ごと説明)
2「おとうさん」呼びの方針パパとの違いが言えないpolite prefix / polite suffix
3温泉のマナーを聞かれたルールの言い方に迷うetiquette / No towels, no clothes, no tattoos.
4タトゥーNGの理由「なぜ」を考えたことがないstigma / historically, arrested people had tattoos
5玄関で靴を脱ぐ話「玄関」の単語を知らないthe foyer / take off our shoes
6命名式の報告「書道」が出てこないnaming ceremony / calligraphy
7おすすめ観光地を聞かれたガイド的な正解を探して固まるsee it from a distance / I’d recommend Tokyo first.
8日本の夏のヤバさ「蒸し暑い」で終わるhumid / the concrete keeps the heat
9ヒートテックの紹介固有名詞が通じないlike underwear with technology / like thermal

あらためて見ると、9つのうち「知らないと詰む単語」は stigma と foyer くらいです。

残りは全部、中学英語の組み合わせでした。

足りなかったのは語彙ではなく、「日本語で説明を組み立てた経験」。

だから、この記事で一番おすすめしたい練習は英語ですらありません。

「遠慮ってなに?」「なんで玄関で靴を脱ぐの?」と、日本語で自問してみることです。

その答えを持ってレッスンに行けば、あとは「説明の型」に流し込むだけです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 「遠慮」は英語でなんと言いますか?

1対1で対応する英単語はありません。

hold back(控える)や refrain(差し控える)が近いですが、「相手を思いやって」のニュアンスは抜け落ちます。

僕は “Japanese people try to be polite and not to bother others.” と、行動と理由をセットで説明して伝わりました。

単語ではなく文で説明する前提でいたほうが、現場では強いです。

Q2. 敬語は英語でどう説明すればいいですか?

総称としては honorifics や polite language が使えます。

ただ、体系の説明から入ると、お互いに迷子になります。

僕のおすすめは、目の前の単語1個を分解する方法です。

「お+とう+さん」を polite prefix / polite suffix と説明したら、一発で伝わりました。

Q3. 玄関(靴を脱ぐ場所)は英語でなんと言いますか?

foyer(玄関ホール)または entrance area が使えます。

「玄関で靴を脱ぎます」は “We take off our shoes at the foyer.” です。

理由まで聞かれたら “to keep the house clean”(家を清潔に保つため)で十分伝わります。

Q4. タトゥーがあると温泉に入れないのはなぜですか?

歴史的に、入れ墨が反社会的集団や刑罰と結びついてきたからです。

その負のイメージ(stigma)が今も残っている、というのが一般的な説明です。

英語では “There’s a stigma associated with tattoos in Japan.” が一言でまとまります。

なお、最近はタトゥーOKの施設や、テープで隠せば入れる施設もあります。

断定しすぎず「施設による」と幅を残すのが誠実だと思います。

Q5. ヒートテックは英語でなんと説明しますか?

固有名詞のままでは通じないので、機能に分解します。

僕は “It’s like underwear but with some technology, very warm.” で伝わりました。

相手が知っている thermal wear(防寒インナー)に例えるのも効果的です。

値段を添えると、だいたい驚かれて会話が続きます。

僕は当時 “maybe five dollars” と伝えました(現在の定価は1,000円台前半です)。

Q6. 日本観光のベストシーズンを英語で勧めるには?

“Spring is the best for cherry blossoms.”(春が一番、桜があるので)が鉄板です。

僕は紅葉の秋も推しつつ、”I don’t recommend summer. It’s too humid.”(夏はおすすめしない。蒸し暑すぎる)と正直に言っています。

おすすめと非推奨をセットで言うと、案内としての信頼度が上がります。

次回予告

「Cambly 300回の記録」シリーズ、次回はVol.11: 日本の食を語って詰んだ10選です。

テーマは日本の食を英語で語る編。

唐揚げとクリスマスKFC、回転寿司は sushi train、「米は staple food」など、食いしん坊な実録を集めます。

シリーズの原点、「Camblyで僕が何を得たか」はこちらです。

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※ 料金・仕様の確認日: 2026年8月

【免責】本記事の料金・仕様・キャンペーン情報は執筆・更新時点で確認した内容であり、変更される場合があります。お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。記事内容は筆者の実体験に基づく個人の感想を含み、学習効果の感じ方は利用目的や学習段階によって変わります。本記事のリンクにはアフィリエイト広告(プロモーション)を含みます。

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この記事を書いた人

純ジャパからTOEFL iBT108を取得し、世界Top15大学院(QS/THE)をGPA4.0で修了。
Camblyを2年以上使い倒した英語学習メンター。精神論ではなく再現性のある方法を伝えます。

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