“What do you think?”
——レッスンで記事を読み終えるたびに飛んでくる、この質問。
初期の僕の答えは、ほぼ毎回同じでした。
“I think it’s good.”
良いか悪いかしか言えない。
理由を足そうとすると、頭が真っ白になる。
小学生の作文みたいな一文だけ置いて、あとは沈黙です。
でもCamblyを300回続けた今は、統計記事の数字にツッコミを入れて、講師と責任論をやり合えるようになりました。
この記事では、意見が言えなかった僕が議論できるようになるまでの実録10場面を公開します。

✍️ この記事を書いている人(フクさん)
純ジャパからTOEFL iBT108を取得し、世界Top15大学院(QS/THE)をGPA4.0で修了。
Camblyを2年以上使い倒した英語学習メンター。精神論ではなく再現性のある方法を伝えます。
✅ この記事でわかること
- 英語で意見を言えない本当の原因(英語力・文化・意見の在庫の3層)
- ニュース記事ディスカッションの実録(統計・宇宙ゴミ・15分都市)
- 講師に “very fair point” と言われた反論の組み立て方
- 「アジア人は静か」に反論した実録——humble と quiet は別物
- 議論が回り出す5つの型(言い切り→PREP→データ1個→やわらか反論→時間稼ぎ)
- 議論レッスンを無料教材で作る方法(Engoo Daily News)

シマちゃん(読者代表)
意見を聞かれるのが一番怖いんだよね…。フレーズ集も買ったのに、本番だと「It’s good」で止まっちゃう。これ僕だけ?

フクさん(筆者)
シマちゃんだけじゃないよ。僕も最初の頃は毎回それだった。今日はその状態からどう抜け出したかの記録だよ。
結論: 議論力の正体は英語力ではなく「意見の在庫」と「型」でした
先に今回の学びを言います。
英語で意見が言えないのは、英語力の問題が3割、それ以外が7割というのが僕の実感です。
「それ以外」の中身は、3つに分解できます。
❌ 僕が意見を言えなかった3つの理由
- 理由1: 日本語の順番で考えていた(背景→理由→最後に結論。英語は結論が先)
- 理由2: 「間違った意見を言うと恥ずかしい」という遠慮(反論=失礼だと思っていた)
- 理由3: そもそも意見の在庫がなかった(日本語で聞かれても答えられない)
特に効いていたのが、3つ目です。
考えてみてほしいんですが、「15分都市についてどう思う?」と日本語で聞かれて、スラスラ答えられるでしょうか。
僕は無理でした。
つまり、英語の前に「言うべき中身」が存在しなかったんです。
フレーズ集を何冊読んでも議論ができなかった理由は、ここにありました。
In my opinion の言い方を100個覚えても、opinion 本体がなければ出番はゼロです。
じゃあ意見の在庫はどう作るのか。
僕の場合、突破口は2つでした。
1つ目は、話題を自分の土俵に引きつけること。
僕はMLエンジニアなので、統計の話なら数字にツッコめます。
駐在経験があるので、日米比較なら実感で語れます。
どんな話題でも「自分の専門・経験と重なる角度」を探すと、意見が湧いてくることに気づきました。
2つ目は、日常でニュースに「自分はどう思うか」を一言つける習慣です。
ニュースを見て「へえ」で終わらせず、「自分は賛成か反対か、なぜか」を頭の中で一言。
日本語でいいんです。
この在庫が、レッスンでそのまま議論の弾になりました。

ここから、実際のレッスンで意見を言えるようになっていった10場面を、時系列ではなくテーマ別に見ていきます。
#1〜#3 ニュース記事が「議論」に化けた——統計・宇宙ゴミ・15分都市
まずは、R先生とのニュース記事ディスカッションです。
無料教材の記事を読んで意見を言い合う形式で、僕の議論力が一番鍛えられた時間でした。
#1 「ゲームで意思決定が速くなる」記事を、統計で斬った回
その日の記事は「ゲームをする人は意思決定が速い」という研究の紹介でした。
昔の僕なら “I think it’s interesting.” で終わっていた場面です。
でもこの日は、記事の数字が引っかかりました。
被験者は47人。
速くなったのは190ミリ秒、差にして約2%。
そして何より、因果の向きが逆かもしれない。
💬 僕が言った英語
“Maybe this person chose video games because… they have better reaction times.”
(意図: ゲームで速くなったんじゃなくて、もともと反応が速い人がゲームを選んだだけでは?)
「ゲームが人を速くした」のではなく「速い人がゲームを選んだ」可能性。
いわゆる逆因果のツッコミです。
これを言った瞬間、R先生の反応が変わりました。
💬 講師の反応(R先生・アメリカ)
“That’s a very fair point. Causation or correlation, which one is it?”
訳:それは実にいい指摘だね。因果か相関か、どっちなんだろうね?
correlation(相関)と causation(因果)。
この2語を軸に、レッスンは記事の音読から完全な議論に変わりました。
仕事で統計を扱っている僕にとって、これは自分の土俵に引きつけた瞬間でした。
英語自体は maybe と because しか使っていません。
それでも、中身にデータの視点が1個入るだけで、議論は勝手に転がり始めました。
💡 ポイント: 記事の数字(n・差分・因果の向き)に1個ツッコむだけで、感想が議論に化ける。
#2 宇宙ゴミの責任は誰に?——「蹴った人が取りに行く」ルール
別の日の記事は、宇宙ゴミ(space debris)の話でした。
民間の宇宙ビジネスが拡大しているというニュースに対して、僕はこう予測を足しました。
💬 僕が言った英語
“The person who launched it should clean up. I’d like to know which country launched how many percent.”
(意図: 打ち上げた人が片付けるべき。国別の打ち上げ内訳のデータが見たい)
「誰が責任を持つべきか」という論点に、「打ち上げた人が掃除する」と結論を先に置く。
そのうえで「国別の内訳データが知りたい」とデータへの要求を足す。
このときのR先生の返しが、今でも忘れられません。
💬 講師の反応(R先生・アメリカ)
“Whoever kicked it gets it. If you put it there, you go and get it.”
訳:ボールを蹴り出した奴が取りに行く。置いてきたなら、自分で取りに行くんだよ。
宇宙開発の責任論が、校庭のボールのルールで一発で整理される。
難しいテーマほど、身近な例えに落とすとお互いの意見が噛み合うと教わった回でした。
僕の英語も、should と I’d like to know しか使っていません。
💡 ポイント: 責任論は「結論を先に言い切る→例え・データで補強」の順が回りやすい。
#3 15分都市は実現するか——東京とシカゴで検証した
3つ目は、15分都市(15-minute city)の記事です。
「生活に必要な場所へ15分以内で行ける都市を作ろう」という構想に、賛成か反対か。
僕は「場所による」と条件つきの意見を出しました。
💬 僕が言った英語
“It’s possible in Tokyo or Yokohama, but not in suburbs or rural areas. I can’t come up with any trouble in Chicago.”
(意図: 東京・横浜なら成立するけど、郊外や地方では無理。シカゴ中心部での生活は既に困っていない)
住んだことのある都市を証拠として持ち出す作戦です。
東京・横浜なら成立する。
郊外は車社会だから無理。
そしてシカゴの中心部は、実はもうほぼ15分都市で、遠いのはコインランドリーくらい。
💬 講師の反応(R先生・アメリカ)
“Capitalism has driven the market to cater to this… the main thing is that one service you don’t need every day.”
訳:資本主義が市場をそういう方向に動かしてきたんだよ。…問題は毎日は使わないサービスだけだね。
「構想としての15分都市」より先に、「資本主義が既に15分都市を作っている」という視点の返し。
賛成・反対の二択で止まらず、「条件による」と場合分けするのも立派な意見なんだと実感した回です。
💡 #1〜#3で使った「議論の部品」
- 因果か相関か: causation or correlation(データへのツッコミの定番)
- データが見たい: I’d like to know which country launched how many percent.
- 場合分け: It’s possible in A, but not in B.(賛否二択から抜ける)
- 思いつかない: I can’t come up with any trouble.(「問題ない」の実感ベース表現)
💡 ポイント: 意見は「賛成/反対」の二択じゃなくていい。場合分け・データ要求・逆因果はどれも一人前の意見になる。

シマちゃん(読者代表)
え、英語は maybe と because レベルなのに議論になるの!? もっと難しい単語が必要だと思ってた…。

フクさん(筆者)
そこが今日いちばん言いたいところ。難しいのは英語じゃなくて「中身の角度」なんだよ。次は制度や規制に持論を言った話だよ。
#4・#5 規制と制度に持論を言う——歩きスマホとぶっ壊れかけの医療制度
次は、A先生との記事ディスカッションです。
社会制度の話は「正解」がないぶん、意見の出しがいがあるテーマでした。
#4 歩きスマホ規制は機能するか——「そんなiPhone誰も買わない」
その日の記事は「歩きスマホは本当に危険」という研究の紹介でした。
危険性そのものには、東京で暮らした実感から同意です。
💬 僕が言った英語
“Especially in Tokyo, it’s so packed… Maybe nobody is gonna use iPhone with this function.”
(意図: 東京は道が混みすぎていて実際にぶつかられる。でも歩行検知でロックする機能なんて、付いてたら誰もそのiPhoneを買わない)
記事には「歩行を検知したらスマホをロックする」という対策案が出ていました。
僕の意見は「問題は本物。でもその対策は非現実的」です。
理由はシンプルで、そんな機能つきのスマホは誰も買わないから。
課題への同意と、解決策への反対を分けて言う——これも立派な意見の形でした。
💬 講師の反応(A先生・アメリカ)
“Some cities wanted to implement laws but it never passed.”
訳:実際に規制の条例を作ろうとした都市もあるんだけど、結局通らなかったんだよ。
僕の「非現実的」という直感に、先生が「実際に法案が通らなかった」という事実を足してくれる。
意見を出すと、相手が知識を持ち寄ってくれるので、会話の情報量が一気に増えます。
💡 ポイント: 「問題には同意、対策には反対」の分割は、angleに困ったときの強い型。
#5 韓国の小児科崩壊ニュースから、日本の医療制度の持論まで
5つ目は、韓国で小児科医が不足しているという記事でした。
診察1回あたり約10ドルで、1日80人を診ないと黒字にならない——という数字に驚きつつ、僕は日本の話に接続しました。
💬 僕が言った英語
“The government would like to get more votes from older people. Unnecessary seeing doctors happens a lot.”
(意図: 政府は高齢者の票が欲しいから制度を変えにくい。それに、ほぼ無料だから不要な受診もたくさん起きている)
日本の医療制度は世界的に見ても手厚い。
でも、高齢者優遇には選挙の構造が絡んでいるし、自己負担が軽いからこそ不要な受診も起きやすい。
普段は日本語でもあまり口にしない持論を、英語で言い切った回でした。
💬 講師の反応(A先生・アメリカ)
“Korea and Japan are going through the same thing. Canada too, but they accept immigrants.”
訳:韓国と日本は同じ問題を抱えてるね。カナダもそうだけど、あっちは移民を受け入れている。
僕が日本の話をすると、先生がカナダの事例で返してくる。
1つの記事から、韓国→日本→カナダの3カ国比較に発展しました。
自分の国の制度は、それだけで世界に通用する議論ネタです。
しかも自分の実体験つきで語れるので、在庫として最強でした。
✅ 制度・規制ネタが議論に向いている理由
- 正解がないので「間違った意見」が存在しない
- 自分の国の話は一次情報として価値がある(講師が知らないことを話せる)
- 講師も自国の事例で返してくれるので、自動的に比較議論になる
💡 ポイント: 日本の制度の話は最強の議論在庫。「日本ではこうで、僕はこう思う」の2文で議論が始まる。
#6・#7 日本を一歩引いて語る——英語人口2%と自己主張の文化
ここからはM先生との会話です。
雑談の延長から、日本論に踏み込んだ2場面を紹介します。
#6 「英語が流暢な日本人は2%」から始まった未来予測
ある日、M先生が「日本人で英語が流暢なのは人口の2%くらい」という記事の話を振ってきました。
昔の僕なら “Oh, really? That’s small.” で終わっていたはずです。
この日は、未来予測で返しました。
💬 僕が言った英語
“Demand for learning English should be skyrocketing in the next 10 years. There might be many kids grown up in foreign countries.”
(意図: 円安と海外出稼ぎの流れで、英語学習の需要は今後10年で急騰するはず。海外育ちの子どもも増えるだろうし)
根拠は3つ用意しました。
円安で海外で稼ぐ選択肢が現実味を増していること。
出稼ぎ・駐在が増えれば、海外育ちの子どもも増えること。
だから英語需要は skyrocket(急騰)するはず、という予測です。
「現状の数字」を聞いたら「未来はどうなるか」を足す。
予測は外れてもいい意見なので、実は一番気楽に出せる型でした。でも、今となってはAIの台頭でどうなったのか、気になるところでありますね。
💡 ポイント: 統計を聞いたら「10年後はどうなると思うか」を足すと、感想が予測議論に変わる。
#7 「日本人は感情を抑える」——日米の自己主張文化を論じた回
7つ目は、この記事のテーマそのものの話です。
日米のコミュニケーションの違いが話題になったとき、僕はこう分析しました。
💬 僕が言った英語
“Japanese suppress. 70% people follow others, no opinion. Australia was the best balance.”
(意図: 日本人は感情を抑え込む。体感では7割の人が意見を持たず周りに合わせる。オーストラリアにいる人達が一番バランスが良かった)
アメリカ人は感情を100%出す。
日本人は抑え込む(suppress)。
僕の体感では、日本では7割の人が「意見を言わずに周りに従う」を選んでいる。
そして僕自身は、どちらの極端も合わなくて、留学先のオーストラリアくらいの塩梅が一番心地よかった——という持論です。
💬 講師の反応(M先生・アメリカ)
“They are very verbal. It’s suppressed in Japan.”
訳:アメリカ人はとにかく言葉にするからね。日本ではそれが抑えられているんだね。
面白かったのは、この「意見を言えない文化」の話自体が、立派な議論ネタになったことです。
意見が言えないという悩みすら、英語では意見として語れる。
ちょっとズルい裏技ですが、同じ悩みを持つ人にはぜひ試してほしい話題です。
💡 ポイント: 「日本人は意見を言わない文化で、僕もそれで苦労している」は、そのまま鉄板の議論ネタになる。

シマちゃん(読者代表)
日本の話でいいなら、僕にも在庫がある気がしてきた! でも先生に「反論」までするのは、さすがに怖くない…?

フクさん(筆者)
僕も最初は怖かったよ。でもそれが杞憂だったって話が、ちょうど次の3つなんだ。仮説と反論の実録だよ。
#8〜#10 仮説と反論に踏み込む——肥満の日米差・サマータイム・「アジア人は静か」
最後の3つは、一歩踏み込んだ場面です。
自分の仮説を立てて検証したり、相手の前提そのものに反論したり。
「意見を言う」の最終形に近い実録です。
#8 肥満の日米差を、数字と仮説で分析した回
M先生と、日米の肥満率の差が話題になったことがあります。
僕はまず、実体験の数字を出しました。
💬 僕が言った英語
“Elementary, 1 out of 80 was obese. High school, 1 out of 300. College, nobody.”
(意図: 僕の学校では肥満の子は小学校で80人中1人、高校で300人中1人、大学ではゼロだった)
小学校は80人中1人。
高校は300人中1人。
大学はゼロ。
体感の「日本には肥満が少ない」を、自分の記憶の数字に変換して出しました。
そのうえで、要因の分析です。
日本には「人にどう見られるか」を気にする外見の文化があること。
そして、砂糖の量と1食のポーションがアメリカとまるで違うこと。
💬 僕が言った英語
“My hypothesis: poor people are more obese. Vegetables are expensive, only choice is fast food. Low nutrition, high fat.”
(意図: 僕の仮説では、貧しい人ほど太りやすい。野菜が高くてファストフードしか選べず、低栄養・高脂肪の食事になるから)
別の日には、「貧しい人ほど太る」という仮説まで踏み込みました。
アメリカでは野菜が高く、安く済ませようとするとファストフード一択になる。
結果、低栄養・高脂肪・高糖の食事に偏る——という構造の話です。
M先生は “I can believe that.” と受け止めたうえで、high saturated fat(高飽和脂肪)という語彙を補ってくれました。
my hypothesis(僕の仮説)という前置きは、このとき覚えた武器です。
「仮説です」と宣言すれば、断定の責任なしで大胆な意見が言えるんです。
💡 ポイント: my hypothesis is… と前置きすれば、踏み込んだ意見も気楽に出せる。数字は記憶ベースの概算で十分。
#9 サマータイム賛成論——反対多数の話題であえて賛成してみた
9つ目は、サマータイム(daylight saving time)です。
M先生に「日本は時計を変えないけど、どう思う?」と聞かれました。
サマータイムは廃止論も根強い制度です。
でも僕は、あえて賛成側に立ちました。
💬 僕が言った英語
“I think daylight saving is a good idea. We can save energy. Better than paper straws.”
(意図: サマータイムは良い制度だと思う。省エネになるし、紙ストローよりよほど環境に効く)
明るい時間を活用すれば照明の電力が減るので、省エネになるはず。
環境対策として、紙ストローを配るよりよほど筋がいい——という比較つきの賛成論です。
「紙ストローより良い」の一言で、M先生は笑いながら乗ってきてくれました。
多数派と逆の立場は、それだけで会話が盛り上がります。
本心が「どちらでもない」ときは、あえて片側に立ってみるのも議論の練習として有効でした。
💡 ポイント: 意見は「比較」を1個入れると急に説得力が出る(Better than paper straws)。
#10 「アジア人は静か」に反論した——humble と quiet は別物
最後は、この記事でいちばん伝えたい場面です。
「なぜアジア人の学生は授業で静かなのか」という話題になったとき、僕は初めて、相手の前提そのものに反論しました。
💬 僕が言った英語
“Humbleness is important, but it’s different from being quiet. If you don’t say anything, you don’t exist.”
(意図: 謙虚さは大事。でもそれと「黙っていること」は別物。何も言わなければ、その場にいないのと同じになってしまう)
アジア人は静かなのではなく、謙虚(humble)であろうとしている。
でも謙虚さと沈黙は別物で、沈黙を選び続けると「存在しない人」として扱われてしまう。
自分自身への戒めでもある反論でした。
💬 講師の反応(M先生・アメリカ)
“Being quiet and being humble are two different things.”
訳:静かであることと謙虚であることは、まったく別の話だね。
反論したのに、先生は深く同意してくれました。
正直に言うと、反論するのは最初は怖かったです。
「失礼だと思われたらどうしよう」と、口に出す直前まで迷いました。
でも結果は真逆で、反論した回ほど「良い議論だった」と喜ばれる。
議論の文化圏では、根拠のある反論は攻撃ではなく貢献なんだと、300回かけて体で理解しました。
ただし、言い方には気を使っていました。
いきなり No, you’re wrong. とは言いません。
Humbleness is important, but… のように、相手の前提を一度受け止めてから but でつなぐ形です。
💡 ポイント: 反論は「一部同意→ but →根拠」の順なら怖くない。むしろ議論への貢献として歓迎される。

シマちゃん(読者代表)
実録はわかったけど…僕がいきなり同じレベルで話せる気がしないよ。何から真似すればいいの?

フクさん(筆者)
大丈夫、僕も最初は it’s good だけだったからね。ここからは、10場面の裏で使っていた「型」を5つに分解するよ。
議論が回り出す5つの型——「It’s good」から始めていい
10の実録の裏で、僕が実際に使っていた型は5つに集約できます。
順番も大事なので、番号順に紹介します。

型1: まず一文で言い切る——It’s good は恥じゃなく第一歩
最初に伝えたいのは、冒頭で「小学生の作文」と自虐した It’s + 形容詞についてです。
あれは恥ではありません。
議論の第一歩として、むしろ正しい型です。
英語の議論は結論が先。
だから “I think it’s unrealistic.”(非現実的だと思う)と一文で言い切ってしまえば、結論はもう出せています。
ダメだったのは「it’s good で終わっていた」ことで、「it’s good から始める」こと自体は正解でした。
言い切ったあとに、理由を一文ずつ足していく。
歩きスマホの回も、実際は「非現実的だと思う」→「誰も買わないから」の2文構成です。
型2: PREPの型に載せる——結論→理由→例→結論
一文ずつ足す順番に迷ったら、PREP法が使えます。
Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(例)→ Point(結論再掲)の順に並べる型です。
僕はこれを意識的に使っていました。
💡 サマータイム賛成論をPREPに分解すると
- P: I think daylight saving is a good idea.(良い制度だと思う)
- R: We can save energy.(省エネになるから)
- E: Better than paper straws.(紙ストローより効果的)
- P: So I’m for it.(だから賛成)
全部、中学英語です。
PREPのすごいところは、内容が薄くても「意見を言った感」が出ることです。
型が先にあると、沈黙する前に口が動き始めます。
型3: データ・数字を1個入れる——議論が勝手に転がり出す
10場面を振り返ると、議論が一番盛り上がったのは、数字が出た瞬間でした。
統計記事の n=47。
学校の肥満児 1 out of 80。
英語人口の2%。
数字はどれも、正確な統計である必要はありません。
「僕の学校では80人に1人だった」レベルの記憶ベースの概算で十分です。
数字が1個出ると、相手はその数字に反応せざるを得ないので、会話が自動で往復し始めます。
データの正確さより、データを出す姿勢のほうが議論では効きました。
型4: やわらかく反論する——一部同意→ but →根拠
反論の型は、#10で使った形がすべてです。
✅ 実際に使っていた「やわらか反論」の組み立て
- 一部同意: Humbleness is important, …(あなたの言う要素は大事)
- 切り返し: …but it’s different from being quiet.(でもそれとこれは別物)
- 根拠: If you don’t say anything, you don’t exist.(黙っていたら存在しないのと同じ)
- 他に使える入り: I see your point, but… / That’s true, but in Japan…
いきなり I disagree. から入ると、直球すぎて場が固まりやすいと言われます。
僕も使ったことはありません。
相手の意見の「同意できる部分」を先に口に出すと、反論はただの意見交換になります。
そして実感として、根拠つきの反論はほぼ確実に歓迎されました。
very fair point と言われた統計ツッコミも、深く同意された#10も、全部反論から生まれた会話です。
型5: 時間稼ぎフレーズで沈黙を埋める
それでも詰まるときは詰まります。
そのときのために、考える時間を稼ぐフレーズを常備していました。
💡 僕が使っていた時間稼ぎフレーズ
- That’s a good question.(いい質問ですね——定番。言いながら考える)
- Let me think.(ちょっと考えさせて)
- Hmm, it depends.(うーん、場合によるかな——言った瞬間、場合分けの型に入れる)
- I’ve never thought about that.(考えたことなかった——正直に言うのも立派なつなぎ)
沈黙とフレーズの違いは、相手に「考えている」と伝わるかどうかです。
無言の5秒は気まずいですが、Let me think のあとの5秒は誰も気にしません。
💡 ポイント: 型は「言い切る→PREP→数字1個→やわらか反論→時間稼ぎ」の5点セット。全部中学英語でできる。
まとめ——実録10場面と「効いた一手」一覧
今回の10場面を一覧にしておきます。
復習用にどうぞ。
| # | 場面 | 効いた一手 | 使った型 |
|---|---|---|---|
| 1 | ゲームと意思決定の統計記事 | 逆因果のツッコミ(causation or correlation) | データ1個 |
| 2 | 宇宙ゴミの責任論 | 結論を先に言い切り+国別データの要求 | 言い切り |
| 3 | 15分都市は実現するか | 東京○・郊外×の場合分け+シカゴの実体験 | 場合分け |
| 4 | 歩きスマホ規制の記事 | 問題に同意しつつ対策に反対(誰も買わない) | 分割回答 |
| 5 | 韓国の小児科不足→日本の医療制度 | 自国の制度+持論(票の構造・不要受診) | 自分の土俵 |
| 6 | 英語が流暢な日本人は2% | 未来予測で返す(demand should be skyrocketing) | 予測 |
| 7 | 日米の自己主張文化 | suppress で対比+豪州が最適という第3の立場 | 持論 |
| 8 | 肥満の日米差 | 記憶の数字(1 out of 80)+ my hypothesis | 数字+仮説 |
| 9 | サマータイムをどう思うか | あえて賛成+比較(Better than paper straws) | 比較 |
| 10 | 「アジア人は静か」という前提 | humble と quiet は別物、と前提に反論 | やわらか反論 |
あらためて見ると、使った英語はほぼ中学レベルです。
maybe / because / it depends / I think ——難しい単語は correlation と hypothesis くらい。
難しかったのは英語ではなく、意見の角度を見つけることでした。
そして角度は、型と在庫があれば見つかります。

この議論力は、Camblyのレッスンでしか鍛えられなかった
最後に、この10場面がどういう環境で生まれたかの話をします。
僕の議論練習は、無料教材のengoo Daily Newsをレッスンに持ち込む形でやっていました。
記事を事前に読んで、自分の意見を先に作っておく。
レッスンで音読とディスカッションをして、講師の反応から表現と視点をもらう。
この「予習→音読→ディスカッション」の型は、別の記事で詳しくまとめています。

議論向きの話題を探したい人には、フリートークで盛り上がった話題20選も参考になるはずです。

そして正直な話、意見を言う練習だけは、独学では無理でした。
理由はシンプルです。
意見は、聞いてくれる相手がいないと言う機会がないからです。
瞬間英作文もシャドーイングも一人でできますが、”What do you think?” と聞いてくれる相手は教材の中にいません。
さらにCamblyのネイティブ講師は、こちらの意見に必ず「自分の視点」を返してくれました。
校庭ルールの例え、カナダの移民事情、法案が通らなかった都市の話。
意見を出すたびに、新しい視点が返ってくる——この往復が議論力の正体だと思っています。
反論の練習も同じです。
「反論しても嫌われない」は、実際に反論して、歓迎される経験を積まないと信じられません。
僕はその安全な練習場として、Camblyを使い倒しました。

シマちゃん(読者代表)
「It’s good から始めていい」で、ちょっと肩の力が抜けたよ。まずは時間稼ぎフレーズから真似してみる!

フクさん(筆者)
それで十分だよ。言い切る→理由を一文。この2歩ができたら、もう議論は始まってるからね。
よくある質問(FAQ)
Q1. なぜ日本人は英語で意見を言えないのですか?
原因は1つではないと思っています。
日本語は結論を最後に置く言語なので、結論先行の英語と話す順番が逆なこと。
「間違った意見は恥」という感覚が強いこと。
そして、意見を求められる機会自体が日本の生活に少ないこと。
僕の場合は3つ目が最大で、英語力より先に「意見の在庫」を作ることで変わり始めました。
Q2. I think 以外で意見を言う英語表現はありますか?
あります。
僕がよく使ったのは、In my opinion(僕の意見では)、I would say(言うなれば)、My hypothesis is(僕の仮説では)あたりです。
ただ、初期はぜんぶ I think で問題ないと思っています。
言い出しのバリエーションより、そのあとに理由が1文続くかのほうがはるかに重要でした。
Q3. 英語で反対するとき、I disagree は失礼ですか?
失礼とまでは言われませんが、単体で使うと直球すぎる印象を与えやすいようです。
僕は That’s true, but… / I see your point, but… のように、一部同意してから切り返す形だけ使っていました。
この形で反論して、講師に嫌な顔をされたことは一度もありません。
むしろ very fair point と褒められることのほうが多かったです。
Q4. PREP法とは何ですか?英会話で本当に使えますか?
Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(例)→ Point(結論再掲)の順で話す型です。
使えます。
ただし実戦では、4つ全部そろえる必要はありません。
PとRの2つ(言い切り+理由1文)だけで、意見としては十分成立します。
僕も会話中はP→Rまでで止まることが多かったです。
Q5. 意見を求められて沈黙してしまいます。時間稼ぎのフレーズはありますか?
That’s a good question. / Let me think. / It depends. の3つを常備するのがおすすめです。
言っている数秒の間に、頭の中で「賛成か反対か、理由は何か」を組み立てます。
それでも出ないときは I’ve never thought about that.(考えたことがなかった)と正直に言ってから、その場で考え始めれば大丈夫でした。
Q6. そもそも日本語でも意見が出てきません。どうすればいいですか?
僕もそうだったので、断言できます。
これは英語の問題ではないので、英語の勉強では解決しません。
効いたのは2つです。
話題を自分の専門や経験に引きつけること(仕事・住んだ街・家族の話なら意見が出る)。
そしてニュースを見たら「自分は賛成か反対か」を日本語で一言つける習慣です。
この在庫づくりの手間だけは、フレーズ集では代替できませんでした。
Q7. 議論の練習はどのオンライン英会話でもできますか?
記事ディスカッション自体は、多くのサービスで可能だと思います。
僕がCamblyで続けた理由は、ネイティブ講師が「添削者」ではなく「議論の相手」として乗ってきてくれたことでした。
校庭ルールの例えやカナダの事例のように、意見への「返し」の面白さは講師の引き出しに依存します。
議論力を目的にするなら、意見に意見で返してくれる講師を見つけることが、サービス選びより重要だと感じています。
次回予告
「Cambly 300回の記録」シリーズ、次回はVol.13: 「今月でやめます」と伝えたら講師との関係が変わったです。
テーマは講師と関係を築く英語編。
契約をやめる宣言からの更新ドラマ、シカゴを逆ガイドした話、講師が矯正を撤回して謝ってくれた話など、「先生と生徒」を超えた関係の実録を集めます。
📚 Cambly 300回の記録シリーズ
- Vol.1: ネイティブに直された英語表現15選
- Vol.2: 日本人の発音、ここが変!
- Vol.3: 英語が「カタコト」に聞こえる本当の理由
- Vol.4: 講師3人の比較実録
- Vol.5: フリートークの話題20選
- Vol.6: ストレス・イントネーション編
- Vol.7: 「通じるけど」ネイティブは言わない英語14選
- Vol.8: アメリカの医療現場で詰まった英語14選
- Vol.9: 海外生活トラブルで出なかった英語9選
- Vol.10: 日本文化の説明で詰んだ英語9選
- Vol.11: 日本の食を語って詰んだ10選
- 👈 今ここ: Vol.12 英語で意見を言えなかった僕の議論力が付くまで(この記事)
- Vol.13: 「今月でやめます」と伝えたら講師との関係が変わった
シリーズの原点、「Camblyで僕が何を得たか」はこちらです。

※ 料金・仕様の確認日: 2026年8月
【免責】本記事の料金・仕様・キャンペーン情報は執筆・更新時点で確認した内容であり、変更される場合があります。お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。記事内容は筆者の実体験に基づく個人の感想を含み、学習効果の感じ方は利用目的や学習段階によって変わります。本記事のリンクにはアフィリエイト広告(プロモーション)を含みます。


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