“I went to the dental today.”
「あー、それは the dentist だね」
——詰め物が取れて初めてアメリカの歯医者に行った話を、M先生に英語で報告したときのことです。
dental は形容詞、dentist は人。中学英語のレベルで知っていたはずなのに、口からは平気で the dental が出てしまう。
「通じる」どころか、そもそも単語が違う。
医療現場の英語は、僕にとってはっきり未踏の地でした。
TOEFL108を取った今でも、歯医者・病院・出産の話になると毎回詰まります。
この記事では、アメリカで実際に医療現場の話をして直された表現を14個、講師のセリフ付きで公開します。

✍️ この記事を書いている人(フクさん)
純ジャパ → TOEFL108 → 世界Top15大学院(QS/THE)GPA4.0。
Camblyを2年以上使い倒した英語学習メンター。精神論ではなく再現性のある方法を伝えます。
✅ この記事でわかること
- アメリカの歯医者で実際に直された英語(dental/filling/scrape ほか)
- 出産・育児で詰まった医療英語(constipation/induced delivery/uterus)
- 「親知らず」「産婦人科」「便秘」など、英語で言えないと困る単語
- アメリカの医療現場で僕が驚いた3つの文化差(書類5ページの正体ほか)
- 体重をポンドで言えず混乱した実用エピソード
- このミスがなぜ起きるのか、独学で気づけない理由

シマちゃん(読者代表)
海外で病気になったとき、英語で説明できるか正直自信ないんだけど…これ僕だけ?

フクさん(筆者)
全然シマちゃんだけじゃない。TOEFL108の僕も、医療英語だけは毎回ボロボロだった。今回はその記録だよ。
結論: 「医療英語」は知識じゃなく、場数の問題でした
先に今回の学びを言います。
医療現場の英語は、文法でも語彙力でもなく「その場面に何回身を置いたか」で決まります。
例えば「歯医者」を the dental と言ってしまうのは、文法を知らないからではありません。
中学で習った dentist という単語が、いざ歯医者の待合室で口から出てこないだけです。
「親知らず」「便秘」「誘発分娩」みたいな単語は、日本語の日常会話でもそんなに使いません。
だから英語でとっさに出てこないのは、ある意味で当たり前です。
でも、海外で生活していると、これが必要になる瞬間が突然来ます。
歯が欠ける。子供が便秘になる。出産が予定より早まる。
今回紹介する14個は、Vol.1(文法・単語)やVol.7(通じるけど不自然)とは舞台が違います。
舞台はすべて医療現場——歯医者・病院・出産・育児です。
💡 この記事の14個を3つに分けると
- アメリカの歯医者で直された英語: dental/filling/chip/immaculate ほか(#1〜#6)
- 出産・育児の現場で詰まった英語: uterus/constipation/induced delivery ほか(#7〜#11)
- 医療現場で起きた小さなミス: disappointed/floss/OBGYN(#12〜#14)
ここから、実際に直された14個を場面別に見ていきます。

アメリカの歯医者で直された英語(#1〜#6)
最初は、僕にとってアメリカ生活で最も衝撃が大きかった場所——歯医者です。
シカゴ生活2ヶ月目、奥歯の詰め物がポロッと取れました。
医療英語の準備ゼロのまま、ぶっつけで歯医者に行ったときの記録です。
#1 “the dental” → “the dentist”——歯医者は「人」
レッスンで「今日歯医者に行ってきた」と伝えたかったときのこと。
💬 僕が言った英語
“I went to the dental today.”
(意図: 今日、歯医者に行ってきた)
すぐ M先生が確認してくれました。
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“Is it the dentist? I went to the dentist today.”
訳:それ dentist のこと?「I went to the dentist today」が自然だね。
ポイントは、dental は形容詞、dentist は人(歯科医)という違いでした。
日本語の「歯医者」は場所と人がほぼ同じ言葉で済んでしまいます。
だから dental clinic(歯科医院)も dentist(歯科医)も、なんとなく dental で押し切ってしまうクセが出ました。
❌ 僕の言い方
I went to the dental(dental は形容詞なので「歯科の〜」止まり)
✅ ネイティブの言い方
I went to the dentist(人=歯科医に会いに行く、というイメージ)
「歯医者に行く」を英語で考えるときは、人(dentist)に会いに行くと発想する。
これだけで形容詞 dental が出にくくなります。
💡 ポイント: 「歯医者に行く」は go to the dentist。dental は形容詞(dental clinic / dental care)として使う。

#2 “my filling took off” → “came off / fell out”——「取れる」の動詞選び
詰め物(filling)が取れた経緯を説明していたときのこと。
💬 僕が言った英語
“My filling took off.”
(意図: 詰め物が取れた)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“It came off, or it fell out. Maybe popped off too.”
訳:came off か fell out だね。popped off でもいいよ。
take off だと「(自分で)外す」「(飛行機が)離陸する」のニュアンス。
詰め物が勝手に外れたニュアンスを出したいときは、自動詞っぽい言い方が必要でした。
💡 「取れる」を場面で使い分ける
- came off: くっついてたものが外れた(詰め物・ボタン)
- fell out: 中から落ちて出てきた(歯・物)
- popped off: ポンっと外れた感じ(カジュアル)
ちなみにこのとき、僕は filling を feeling と言い間違えていました。
「感情が取れた」状態を必死に説明していて、M先生もしばらく「?」となっていたのは思い出すと恥ずかしいです。
💡 ポイント: 詰め物が取れたは came off / fell out。take off は「自分で外す」「離陸する」イメージ。
#3 “treated me in a bad way” → “treated me badly”——副詞ですっきり言う
シカゴで2軒目の歯医者に行く理由を説明したとき。
「最初に行った歯医者でひどい扱いを受けたから、別の歯医者に変えた」と伝えたかった場面です。
💬 僕が言った英語
“The first one treated me like in a bad way.”
(意図: 最初の歯医者にひどい扱いを受けた)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“The first one treated me badly.”
訳:「The first one treated me badly」で済むよ。
in a bad way でも意味は通じます。
ただ、英語は副詞1語で言える場面では副詞を選ぶほうがスッキリ聞こえる。
「ひどく」は badly、「親切に」は kindly、「素早く」は quickly。
日本語だと「親切な方法で / 素早い方法で」と訳しても通じますが、英語は副詞ですとんと言う。
このリズム感、レッスンで何度も直されてようやく身についてきました。
💡 ポイント: 「〜なやり方で」は in a 〜 way より副詞1語(badly / kindly / quickly)。
#4 「ゴリゴリ削られた」を表現できず、scrape vigorously を教わった
アメリカの歯医者で歯のクリーニングを受けたら、日本のそれとはまるで別物でした。
歯石を力ずくでゴリゴリ削られる感覚。
これを言葉にできなくて、僕は「ちょっと強い」くらいの曖昧な表現で誤魔化していました。
💬 僕が言った英語
“The strength of doctors is a bit stronger here.”
(意図: アメリカの先生は力が強い=ゴリゴリ削られる)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“They scrape more vigorously, with more force.”
訳:scrape more vigorously(より力強く削る)って言えるよ。
scrape(削る)と vigorously(力強く)の2語で、「ゴリゴリ」のニュアンスがそのまま出ます。
日本語の擬音語(ゴリゴリ・ガリガリ・キーン)は、英語にすると動詞+副詞のセットになる。
これがなかなか会話の速度で組み立てられないんですよね。
💡 ポイント: 「ゴリゴリ削る」は scrape vigorously。擬音語は動詞+副詞で英語化する。
#5 「ピカピカに清潔」を表現できず、immaculate を教わった
歯磨きを1日3〜4回している、という話をしていたときのこと。
「だから歯はピカピカ」と伝えたかったのに、ピカピカ= shiny / clean しか出てきません。
💬 僕が言った英語
“My teeth are very clean.”
(意図: 歯はピカピカに綺麗にしてる)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“Your teeth must be immaculate. It means perfectly clean, spotless.”
訳:歯は immaculate(完璧に清潔)だね、って言えるよ。
immaculate という単語、僕はこの日まで知りませんでした。
意味は「完璧に清潔/一点の汚れもない」。
clean よりも一段強い、ホテルや高級店の清潔さを表すような単語です。
語感としては「ピカピカ」のニュアンスにかなり近い。
知らない単語が会話の中でぽろっと出てくる瞬間は、レッスンで一番テンションが上がる瞬間でもあります。
💡 ポイント: 「ピカピカに清潔」は immaculate。clean より一段強い。
#6 「親知らず/歯が欠ける」を英語で——wisdom teeth と chipped tooth
最後に、歯医者の話で覚えた新語2つをまとめます。
親知らず= wisdom teeth
これも僕はレッスン当日まで知りませんでした。
「親知らずを抜く」を表現できなかったときに、M先生がさらっと出してくれた単語です。
直訳すると「知恵の歯」。
生えるのが大人になってから(=知恵がつく頃)だから、という由来らしいです。
歯が欠ける= chip / chipped tooth
シカゴでバーベキューをしていたら、風で飛んできた小石を噛んでしまい歯の一部が欠けたことがありました。
その経緯を説明したとき、M先生にこう直されました。
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“The stone chipped your tooth. You got a chipped tooth.”
訳:石が歯を欠けさせた、って言うんだ。chipped tooth で「欠けた歯」。
chip は動詞でも名詞でも使えて、「(一部が)欠ける」のニュアンスがぴったり。
break(折る)でも crack(ひびが入る)でもなく、部分的に欠けるのが chip です。
💡 歯関連の英語まとめ
- 親知らず: wisdom teeth
- 歯が欠ける: chip / get a chipped tooth
- 詰め物が取れる: filling came off / fell out
- 歯石を削る: scrape (vigorously)
- 完璧に清潔: immaculate
💡 ポイント: 親知らずは wisdom teeth、歯が欠けるは chip。歯医者用語は知らないとその場で固まる。


シマちゃん(読者代表)
親知らずを wisdom teeth って言うの、ちょっと粋だね。

フクさん(筆者)
由来を聞くと忘れにくいよね。僕も「歯医者に行く」って言うとき、いまだに頭の中で wisdom teeth を一回唱えてる。
出産・育児の現場で詰まった英語(#7〜#11)
次は、駐在中アメリカで息子が生まれた前後の話。
出産・育児の語彙は、日本語の日常会話でもそんなに頻繁には使いません。
それを英語で説明しようとすると、まあ詰まる詰まる。
ここでは「医療現場の英語」として、僕がレッスンで直された5つを紹介します。
#7 “baby’s position is lower” → “lower in the uterus”——「お腹の中で下がる」を医療表現で
妻が臨月のとき、「赤ちゃんが下がってきた」と先生に伝えたかったときのこと。
💬 僕が言った英語
“Our baby’s position is lower.”
(意図: 赤ちゃんがお腹の中で下がってきた)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“He is lower in the uterus.”
訳:それは「lower in the uterus(子宮内で下がってる)」って言えるよ。
ポイントは uterus(子宮)という単語。
日本語だと「お腹の中」で全部済みますが、医療の話になると英語は子宮(uterus)と臓器の名前をはっきり言います。
in the belly や in the stomach だと、お母さんが食べ物を食べた話に聞こえてしまう。
uterus は日常会話で出てくる単語ではありません。
でも、出産・育児の場面に立つと突然必要になる単語の代表格でした。
💡 ポイント: 「お腹の中で下がる」は lower in the uterus。臓器の名前を入れると医療表現になる。
#8 “conspiration” → “constipation”——「便秘」を「陰謀」と言ってしまった話
これは僕が一番恥ずかしかった瞬間です。
息子が便秘気味で、「便秘のせいで泣いてる」と説明しようとしました。
💬 僕が言った英語
“Maybe because of the conspiration, is it the right word?”
(意図: 便秘のせいだと思う)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“Constipation. He looks constipated.”
訳:constipation だね。「便秘っぽい顔してる」って言えるよ。
conspiration は「陰謀」、constipation が「便秘」。
赤ちゃんの陰謀をめぐる議論をするところでした。
M先生も一瞬「?」となってから、優しく訂正してくれました。
似た音の単語の取り違えは、Vol.7でも書いたパターンです。
医療用語は普段使わないぶん、こういうミスが本当に起きやすい。
💡 ポイント: 便秘は constipation。conspiration(陰謀)と完全に別単語。

#9 “easy delivery” → “arduous”——「楽な出産」「過酷な出産」
息子の出産が予想外に楽だった、という話をしていたとき。
「ほとんどの出産はもっと大変なはずなのに」と続けようとして、「大変」が出てきませんでした。
💬 僕が言った英語
“It was a very easy delivery. Most deliveries are more hard.”
(意図: 楽な出産だった。普通はもっと大変なはず)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“You can say arduous. It means difficult, tough, painful.”
訳:arduous(過酷な/骨の折れる)が使えるよ。
easy delivery(楽な出産)の対義語として、ぴったりの単語が arduous でした。
difficult や hard でも通じます。
でも arduous には「長くて骨の折れる」というニュアンスがあり、出産や登山のような場面にしっくりはまる。
💡 出産の英語まとめ
- 楽な出産: easy delivery
- 過酷な出産: arduous delivery
- 自然分娩: natural birth
- 子宮内で: in the uterus
ちなみにこのときの出産があまりに楽だったので、病院の先生から「楽な出産だったと他の妊婦さんには言わないで」と口止めされたのは、今でも忘れられないエピソードです。
💡 ポイント: 「過酷な」は arduous。difficult より「長くて骨が折れる」ニュアンス。
#10 「誘発分娩」を英語で——induced delivery
出産日が予定日を過ぎたので、誘発分娩になった経緯を説明したいときがありました。
💬 僕が言った英語
“We had the induced birth, induced delivery, I think it is the word.”
(意図: 誘発分娩だった、たぶんこの言い方であってる?)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“Yes, induced delivery is correct.”
訳:そう、induced delivery で正しいよ。
induced は「人為的に引き起こされた」という意味。
日本語の「誘発」とほぼ同じニュアンスです。
医療用語は、こういう「意外と直訳が通じる単語」もあります。
分からないときは「induced(引き起こされた)」のような根っこの意味から組み立てると意外と当たる、というのは医療英語の救いの1つでした。
💡 ポイント: 誘発分娩は induced delivery。induced は「人為的に引き起こされた」。
#11 “3145 grams” の壁——体重をポンドで言えなかった話
息子の体重と身長を英語で伝えようとして、混乱した瞬間がありました。
💬 僕が言った英語
“He was 3145 grams, 51 centimeters… three thousand… uh…”
(意図: 3145グラム、51センチ)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“Americans use pounds and ounces. He was about 6 pounds 15 ounces.”
訳:アメリカはポンドとオンスを使うよ。だいたい 6 pounds 15 ounces だね。
これは語彙のミスではなく、単位そのものの壁でした。
アメリカは身長 = フィート/インチ、体重 = ポンド/オンスが基本です。
3145 grams と言っても、ネイティブには「で、それポンドだと何ポンド?」と頭の中で換算が走ってしまう。
換算の目安はこんな感じです。
💡 赤ちゃんの体重の換算目安
- 2500g ≒ 5 lbs 8 oz(標準下限)
- 3000g ≒ 6 lbs 10 oz
- 3500g ≒ 7 lbs 11 oz
- 4000g ≒ 8 lbs 13 oz
帰国後に親に英語で報告するときも「grams で言って!」と何度も言われました。
単位の壁は、医療現場の地味な落とし穴なんですよね。
💡 ポイント: 米では体重は pounds (lbs) と ounces (oz)。grams で言うと頭の中で換算が走る。


シマちゃん(読者代表)
conspiration と constipation って…完全に別単語じゃん。これは恥ずかしい…

フクさん(筆者)
完全に別単語。でも、こういう恥ずかしいミスのほうがあとから絶対忘れない。conspiration はもう一生間違えない自信ある。
アメリカの医療現場で驚いた3つの文化差
ここで一旦、英語の話から少し離れます。
アメリカの歯医者・病院で僕がとにかくカルチャーショックを受けたことを3つだけ書きます。
英語が通じる/通じないの前に、そもそも医療の運用が日本と違いすぎるんですよね。
これを知っておくと、医療英語を話す心の準備にもなると思います。
書類5ページの正体は liability(賠償責任)文化
シカゴで初めて歯医者に行ったとき、受付で渡された問診票が5ページありました。
日本だと、はじめての歯医者でも問診票はせいぜい1枚。
それが5ページですよ。
英語で読まなきゃいけないというハードルも相まって、受付で固まりかけました。
これを M先生に話したら、こう説明してくれました。
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“It’s for liability. They don’t want to be sued.”
訳:賠償責任のためだよ。訴えられたくないからね。
liability(賠償責任)。
これがアメリカの医療現場を動かしている根っこの単語でした。
アメリカは医療訴訟がとても多い社会です。
だから医療機関は、患者から「聞いてなかった」「同意してない」と言われないよう、事前に署名を集めまくる。
5ページの問診票は嫌がらせではなく、医療機関側の自衛策だったわけです。
これを知ってから、書類の山を見ても「ああ、自衛か」と思えるようになりました。
💡 ポイント: 米の医療書類が多いのは liability(賠償責任)対策。嫌がらせではない。
医療通訳が保険でカバー(実質無料)
次に驚いたのが、医療通訳のサービスでした。
アメリカでは、英語が母語でない患者には医療通訳を付けることが連邦法で義務化されているそうです。
しかも、僕のような海外駐在員が入る保険でも、通訳料はカバーされるケースが多い。
僕は妊婦健診のときに通訳をお願いした経験があります。
専門用語の壁が一気になくなって、本当にありがたかった。
✅ アメリカで医療通訳を頼むときの基本
- 予約時に「日本語の通訳をお願いしたい」と伝える
- 連邦法で保障されているため、断られることは基本ない
- 保険でカバーされれば、自己負担ゼロのケースが多い
- 専門用語は通訳に任せ、自分は日常会話の英語に集中できる
「英語で医療を全部やる」と気負わなくていい。
これだけで、海外で医療を受けるハードルがぐっと下がりました。
💡 ポイント: 米では医療通訳が連邦法で保障されている。保険でカバーされれば無料のケースも。
会計はアプリで後払い・予約もオンライン
最後は、医療機関の事務の便利さ。
日本の病院は、診察後に長い行列に並んで現金で会計、という記憶ばかりでした。
ところが、シカゴの歯医者・病院は基本的にその場で支払う必要がない。
数日後に専用アプリに請求が届いて、そこで支払う。
予約もアプリかWebでサクッと完了。
これに慣れたあと、日本に帰国して病院の会計列を見ると、なかなかカルチャーショックでした。
💡 アメリカ医療の事務面でラクだったこと
- 会計はアプリで後払い(その場で並ばない)
- 予約はオンラインで完結(電話不要)
- カルテや検査結果もアプリで確認できる
- 日本人にとっては「英語で会計をやり取りしなくていい」のが助かる
英語が苦手な人にとって、会計をその場でやらなくていいのは大きな救いです。
あとからアプリで請求書を読めば、辞書を引きながらゆっくり確認できますからね。
💡 ポイント: 米の医療は後払い&オンライン予約が基本。英語の負担が減る隠れたメリット。


シマちゃん(読者代表)
通訳が保険で無料ってすごい。英語ガチガチに準備しなくても、ある程度受けに行けるんだね。

フクさん(筆者)
そう。完璧な英語より「通訳を予約できる電話/メールの英語」のほうが、実は実用度高い。
医療現場で起きた小さなミス(#12〜#14)
残り3つは、医療現場のレッスンで直された地味だけど印象に残ったミスです。
#12 “I felt disappointed” → “It’s disappointing”——「がっかり」の使い分け
歯医者で治療がその日中に終わらず、もう1度通うことになった話のとき。
💬 僕が言った英語
“I wanted to finish today, but I need to go there again. I felt a little disappointed.”
(意図: 今日終わりたかったのに、また通うことになった。ちょっとがっかり)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“It’s a little disappointing for me.”
訳:「It’s a little disappointing for me(その状況がちょっとがっかり)」のほうが自然だね。
ポイントは disappointed と disappointing の使い分けです。
- disappointed: 人が「がっかりした」という感情
- disappointing: 状況や物が「がっかりさせるもの」
僕は「自分が」がっかりしたんだから disappointed でいい、と思ってしまった。
でもここでは、通院が延びたという事実そのものを評価する文脈なので、disappointing のほうが自然でした。
💡 -ed / -ing 感情形容詞の使い分け
- I’m bored(僕が退屈している) / This is boring(この本が退屈な内容)
- I’m tired(僕が疲れた) / This is tiring(この作業が疲れさせる)
- I’m disappointed(僕ががっかり) / This is disappointing(この結果ががっかり)
中学で習ったルールですが、会話だと感情だけで -ed を選びがち。
医療現場のように事実ベースで話す場面ほど、-ing が出番になります。
💡 ポイント: 人の感情は -ed、物事の性質は -ing。事実を評価する場面は -ing。
#13 “I do flossing” → “I floss my teeth”——floss は動詞
「歯磨きのあとに毎日フロスをやってる」と言いたかったときのこと。
💬 僕が言った英語
“I do flossing every day.”
(意図: 毎日フロスをやってる)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“You floss your teeth every day.”
訳:「You floss your teeth every day」って言えるよ。floss が動詞。
floss は名詞でもあるし、動詞でも使える。
do flossing は間違いではないけれど、英語は「シンプルな動詞1語で言える場面では動詞1語」を好みます。
同じパターンに、brush my teeth(歯磨きする)、email someone(メールする)、text someone(テキスト送る)。
名詞っぽい単語が、そのまま動詞になるケース。
知ってはいたんですが、口からは do flossing が出ました。
このパターンの修正、本当に多いです。
💡 ポイント: floss は動詞。do flossing より floss my teeth がスッキリ。
#14 “OBGYN” の壁——略語が聞き取れない
最後は、医療現場の略語の壁です。
妻が産婦人科に通っていた話をしていたとき、M先生がさらっとOBGYN(おーびーじーわいえぬ)と言ったんですが、僕は最初これが聞き取れませんでした。
💬 僕が言った英語
“OBGYN… that terminology is too difficult.”
(意図: OBGYNって用語、難しすぎる)
💬 講師のフィードバック(M先生・アメリカ)
“Yeah, even natives struggle with medical abbreviations sometimes.”
訳:ネイティブでも医療の略語に詰まることはあるよ。
OBGYN は obstetrics and gynecology(産科 + 婦人科)の略。
日常会話で「産婦人科」を OBGYN と略すのが普通でした。
医療現場には、こういう頭字語(acronym)がやたら多い。
知らないと聞き取れません。
💡 知っておくと便利な医療の略語
- OBGYN: 産婦人科(obstetrics and gynecology)
- ER: 救急(emergency room)
- ICU: 集中治療室(intensive care unit)
- OTC: 市販薬(over-the-counter)
- BP: 血圧(blood pressure)
略語は知っているか知らないかの世界。
M先生が「ネイティブでも詰まるよ」と言ってくれたのが、ちょっと救いでした。
💡 ポイント: 医療現場は略語だらけ。OBGYN・ER・ICU は最低限覚えておく。

なぜ医療英語で詰まるのか——「専門語が母語でも難しい」
14個を並べてみると、原因はだいたい2つに収束します。
1つは、日本語でもそんなに使わない単語が多いこと。
「親知らず」「便秘」「誘発分娩」「子宮」。
日本語の日常会話でも、年に何回口にするでしょうか。
日本語でもとっさに出てこない単語を、英語でとっさに出せるはずがない。
専門語が母語でも難しいのは当然で、自分を責めなくていい部分でした。
もう1つが、似た音の単語の取り違えです。
constipation と conspiration、disappointed と disappointing、dental と dentist。
医療用語は語幹が長く、語尾が変わるだけで意味が大きく変わるパターンが多い。
⚠️ 医療英語のあるあるミス
- 日本語の日常で使わない単語をとっさに出そうとして詰まる
- 形容詞と人(dental / dentist)を混同する
- 似た音の医療用語を取り違える(constipation / conspiration)
- 単位(grams / pounds)の壁で頭の中の計算が止まる
- 略語(OBGYN / ER)が聞き取れない
じゃあどう備えるか。
僕がレッスンと併用して効いたのは、この4つです。

✅ 医療英語の準備に効いた4ステップ
- シチュエーション別に5個ずつ覚える: 歯医者・産婦人科・救急などで使う頻出語を5個
- 略語のリストを作る: OBGYN・ER・ICU・OTC など、知らないと聞き取れない頭字語
- 単位の換算表を持っておく: grams / lbs / oz、cm / inches、℃ / ℉
- 「通訳を頼めるか」を最初に確認: 完璧な英語より、通訳を予約できる英語のほうが実用度高い
特に効いたのは、通訳を頼めるか先に聞くことでした。
完璧な英語で全部やろうとすると、緊張で日本語の知識すら吹き飛びます。
「自分の代わりに専門用語を訳してくれる人がいる」と分かっていると、心理的に全然違うんですよね。
まとめ——14個の医療現場英語一覧
今回の14個を一覧にしておきます。
復習用にどうぞ。
| # | ❌ 僕の表現 | ✅ 自然な表現 |
|---|---|---|
| 1 | the dental | the dentist(人) |
| 2 | filling took off | came off / fell out |
| 3 | treated me in a bad way | treated me badly |
| 4 | (ゴリゴリ削る…が出ない) | scrape vigorously |
| 5 | very clean teeth | immaculate |
| 6 | (親知らず/歯が欠けた…が出ない) | wisdom teeth / chipped tooth |
| 7 | baby’s position is lower | lower in the uterus |
| 8 | conspiration | constipation(便秘) |
| 9 | more hard delivery | arduous delivery |
| 10 | induced birth? | induced delivery |
| 11 | 3145 grams | 6 pounds 15 ounces(米) |
| 12 | I felt disappointed | It’s disappointing |
| 13 | do flossing | floss my teeth |
| 14 | (産婦人科の略語が聞き取れない) | OBGYN を覚える |
あらためて見ると、難しい単語は半分くらいです。
dental / dentist や disappointed / disappointing みたいな中学英語レベルの取り違えもあるし、wisdom teeth や immaculate みたいな初見の専門語もある。
共通しているのは、普段の生活で口にしないということ。
日本語の日常会話でも口にしない単語を、英語でとっさに出せるはずがない。
ここを認識しただけで、医療英語のハードルが下がりました。

シマちゃん(読者代表)
「日本語でも使わないんだから」って考えると、ちょっと気が楽になるね。

フクさん(筆者)
そう。完璧を目指さない。通訳を頼めば良いし、よく使う5個を覚えとくだけで全然違う。
この「医療現場の英語」は、独学だと体験できない
最後に正直な話を。
今回の14個、僕は1つも自力で気づけませんでした。
文法書を読めば、disappointed と disappointing の違いも、dental が形容詞だってことも書いてあります。
でも「歯医者の待合室で口から平気で the dental が出ちゃう」「便秘の話で conspiration が口から出る」。
こういうのは、リアルタイムで会話してくれる相手がいないと気づきようがありません。
僕の場合、その相手がCamblyのネイティブ講師でした。
レッスンが全部録画されるので、直された表現をあとから何度でも拾えたのも大きかったです。
Camblyをどう使い倒したかは、こちらにまとめています。

次回予告
「Cambly 300回の記録」シリーズ、まだまだ続きます。
「Cambly 300回の記録」シリーズ、次回はVol.9: 海外生活トラブルで出なかった英語9選です。
「set fire to a train」「death penalty」「protest vs riot」など、ニュースを話題にしたときに詰まった重い英語を集めます。
📚 Cambly 300回の記録シリーズ
- Vol.1: ネイティブに直された英語表現15選
- Vol.2: 日本人の発音、ここが変!
- Vol.3: 英語が「カタコト」に聞こえる本当の理由
- Vol.4: 講師3人の比較実録
- Vol.5: フリートークの話題20選
- Vol.6: ストレス・イントネーション編
- Vol.7: 「通じるけど」ネイティブは言わない英語14選
- 👈 今ここ: Vol.8 アメリカの医療現場で詰まった英語14選(この記事)
- Vol.9: 海外生活トラブルで出なかった英語9選
- Vol.10: 日本文化の説明で詰んだ英語9選
- Vol.11: 日本の食を語って詰んだ10選
- Vol.12: 英語で意見を言えなかった僕の議論力が付くまで
- Vol.13: 「今月でやめます」と伝えたら講師との関係が変わった
※ 料金・仕様の確認日: 2026年6月
【免責】本記事の料金・仕様・キャンペーン情報は執筆・更新時点で確認した内容であり、変更される場合があります。お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。記事内容は筆者の実体験に基づく個人の感想を含み、学習効果の感じ方は利用目的や学習段階によって変わります。本記事のリンクにはアフィリエイト広告(プロモーション)を含みます。


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